『壁の花に魔法をかけて』

エリカ・リドリー 著 ライムブックス

 

 

【内容(「BOOK」データベースより)】

男爵家の長女カメリアは、縁談が決まったとある日母親から告げられる。相手はよく知らない男性であるばかりか、20歳年上でロンドンから遠く離れた地方住まい。突然人生を決定づけられ、とまどう彼女だが、両親は従順な長女がたてつくことなど想像もしていない。

そんな中、親に反抗する気持ちもあって、妹に連れられて出席した仮面舞踏会の会場となった館のバルコニーで、カメリアは黒いマスクのエックス卿に誘惑される。

放蕩者のウェインライト伯爵は、行動を逐一、新聞の醜聞記事に書かれることにうんざりしていた。一か月は新聞に載らず、イメージを刷新すると仲間に宣言した矢先、仮面舞踏会で純朴なレディーに出会う。そして彼女のことが忘れられず……

 

壁の花に魔法をかけて

 

 

ヒストリカルロマンスの定番ともいうべき放蕩貴族が純朴な乙女に心惹かれていくという、女性読者が喜ぶストーリーとなっている。

 

時は1817年、ロンドン。

29歳のウェインライト伯爵マイケル・ラトランドは放蕩物でロンドンを賑わす有名人。

風刺画にはマイケルが載らない日はないというくらいだ。

風刺画には “快楽卿” というタイトルまでついている。

そんな中、友人たちと賭けをした。

イメージを変えてみせると…

ウェインライト伯爵が単なる醜聞ネタではないってことを証明してみせると…

そして40日間、醜聞記事に載らない賭けをしたのである。

 

一方、小説のヒロインは カメリア・グレンヴィル 

グレンヴィル男爵家の長女で26歳。つまりオールドミスということだ。

次女は学校経営をしていて自立心が強い。三女は自由奔放外交的。

カメリアは 母親には従順、真面目で内気な性格 

ほとんど家から離れず、家族と一緒にいることが一番の幸せだと思っている。

ある日、母から縁談の話を強引に決められた。6週間後には結婚式

お相手は父親ほどの年齢で裕福な男、住むところも家族とは遠く離れたところになる。

どうしても、そんな結婚はしたくなかった。

なんとかして断りたいが親に反抗することのできない性格で苦悩していた。

そんな折、仮面舞踏会に急遽行けなくなった妹がアメリアに代わりに行って欲しいと懇願する。

普段なら絶対断る彼女も、今回は親に対する反発もあり行く決心をする。

ここまで書けば、もうわかるわね。

この仮面舞踏会で、このヒロインはあのヒーローに出逢うというお定まりの設定。

後は、どれだけ読者をのめり込ませてくれるか作者の力量になる。

楽しみに読み進めることにした。

 

ロマンス小説はハッピーエンドになるので、安心して楽しめる。

マイケルは仮面舞踏会ではエックス卿、カメリアはレディ・エックスと名乗り、お互いの名前は知らないまま。

毎週公爵主催の仮面舞踏会はあり、カメリアは20歳も年上の求婚者と4週間後には婚約しなければならない。

カメリアは最初の仮面舞踏会から、その婚約まで毎週マイケルと逢った。

そして最後の逢瀬で、あることが起きる

それで、彼女はイヤリングの片方を落とし、逃げるようにその場を去る。

それからマイケルのカメリア探しが始まる

名前を知らないままでの別れで、仮面舞踏会主催者の公爵に聞いても断られ途方に暮れる。

そして彼女の語ったあることから、マイケルは探し出すことに成功。

まあ、ロマンス本だから彼女にたどり着く過程は素敵で最後は読者が望んでいた通りに結んでくれるので、読後は明るい気持ちと幸せ感たっぷりになる。

 

ミステリやサスペンス本の合間には、こういう本を読むと気分転換になるね。

さて、次はミステリにしようかな。