『スキン・コレクター』
ジェフリー・ディーヴァー 著 文春文庫
「このミステリーがすごい!」第1位!
〈ドンデン返しの魔術師〉の代表作、ついに文庫化
毒の針で刺青を刻むスキン・コレクター
【内容(「BOOK」データベースより)】
ニューヨークの地下で拉致された女性は毒の針で刺青を刻まれ、死亡していた。現場では、科学捜査の天才リンカーン・ライムが解決したボーン・コレクター事件に関する書籍の切れ端が発見された。殺人者はあの連続殺人犯の手口とライムの捜査術に学び、犯行に及んでいるのか?現代最高のミステリー・シリーズを代表する傑作。
ニューヨークの地下迷宮で殺人を繰り返す犯人。毒針で被害者の皮膚に刻まれた謎の文字は何を意味するのか。次の殺人はどこで起きるのか。そして犯人の狙いは何か。やがて浮かび上がる二重三重に擬装された完全犯罪―。「このミステリーがすごい!」1位に選ばれた、ドンデン返しの魔術師ディーヴァーの会心作。
<リンカーン・ライムシリーズ>11作目。
<シャーロック・ホームズ>の生涯の宿敵は “ジェームズ・モリアーティ” だ。
そしてこの<リンカーン・ライム>の宿敵は、本名は誰も知らない “ウォッチ・メーカー” (シリーズ7作目)と呼ばれる男である。
ライムとは対等に知能戦ができる唯一のライバルである。
今回その “ウォッチ・メーカー” が獄中で死んだことを知ったライム。
不思議なつながりを感じるウォッチ・メーカーの死にライムは心の動揺を隠せない。
そして本作の事件は、未詳115号<スキン・コレクター>と呼ばれる男。
読者には、連続殺人犯の名前は最初から “ビリー・ヘイヴン” と明かされている。
犯人は、やけに<ボーン・コレクター事件>を意識している。その理由は?
<リンカーン・ライムシリーズ>の構成は大体パターン化されているので続けて読んでいる人にはその構成がなじんできて読みやすい。
アメリア・サックスが事件現場の微小証拠をグリッド捜索によって集める。
その証拠によってリンカーン・ライムの頭脳が犯人の次の犯行を読み解き、犯人を追い詰める。
ホワイトボードに、今までの捜査内容を書き記すライムの特徴的な手法は読者にも解りやすく、一緒になって謎解きしているようでうれしい。
<スキン・コレクター>というからには、皮膚を切り取って蒐集するサイコパスかと思ったら、そうではなくて皮膚を触って楽しむけれど、タトゥーをインクではなく毒針で刺し描く殺人鬼だった。
4人の被害者の皮膚に毒で腫れあがって浮き上がる文字。
これが何を意味するか。この謎解きが大きなキーとなる。
<どんでん返しの魔術師>と言われる “ジェフリー・ディーヴァー”。
今回もこれでもかこれでもかとどんでん返しの連続である。
最初のどんでん返しにはびっくり。
ええ゛え゛え゛~!!そうだったの?こりゃ驚いた。
そして、2回目のどんでん返し。これは、私は完全に見破った。
最初からその登場人物には不審感を持っていたから、やっぱりね。
そして最後の大どんでん返し。
そんなー~~~!と、さすがどんでん返しの天才作家。
これぞ作者が読者に突き付ける会心のどんでん返しなのだろう。
うーん!
はっきり言って、そこまでやるかー・・・だな~
まあ楽しめたけれど、ちょっとやり過ぎの不満も残った作品だった。
ちなみに私は彼の作品の中では『コフィン・ダンサー』が一番好みだ。
この作品の連続どんでん返しが一番好き。