『ブラックサマーの殺人』

M・W・クレイヴン 著 ハヤカワ・ミステリ文庫

 

 

<ワシントン・ポー>シリーズの1作目『ストーンサークルの殺人』は面白かった。

ポーとブラッドショーの最強コンビが、次作を期待させる予感で終わった。

本作の『ブラックサマーの殺人』を読むのが愉しみ。

 

 

カリスマシェフは冤罪か

それとも殺人鬼か? 

刑事ポー、絶体絶命!

 

 

【内容(「BOOK」データベースより)】

かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた――カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。 彼は娘のエリザベスを殺した罪に問われたのだ。だが六年後のいま、その娘が生きて姿を現した! キートンは無実なのか? あらゆる証拠が冤罪を示し、窮地に立たされたポーを助けるべく、分析官のブラッドショーが立ち上がる。強烈な展開が読者を驚倒させる、英国ミステリ・シリーズの第二作。

 

ブラックサマーの殺人

 

 

冒頭で、いきなりびっくり。

主人公の ワシントン・ポー が殺人容疑で逮捕されたのだ。

そして、次の章はそこに至る二週間前からのことが綴られていく。

 

 

ポーの逮捕の二週間前を第一日目として物語が始まり、順に第十四日目まで続き、そして逮捕の一週間後で終結する。

ワシントン・ポーは国家犯罪対策庁の重罪犯罪分析課の部長刑事。

かつて、ポーが殺人容疑で逮捕して有罪が決まり刑務所にいた男が冤罪であったかもしれないと連絡を受けた。

ポーが6年前、カンブリア州警察にいたときの事件で、セレブなどが顧客となるような高級レストランのオーナーシェフが自分の娘をレストランの厨房で殺害したというものだ。

遺体は見つからず、状況証拠から有罪となった。

 

ところが、6年もたって 死んだはずの娘 がやつれた様子で現れた。

男に拉致され、麻薬中毒にさせられて、犯人が4日も現れないため、彼女は薬の禁断症状で耐えられなくなり、必死で脱出してきたということだった。

ポーは、シェフの有罪は間違いないものだと確信していたので、信じられなかったが、もし冤罪なら、それを確信するまで調べるほかないと思った。

 

 

娘は本物なのか。

ポーは、娘のDNA検査などが正当に行われたのか詳細に調べたが、改ざんも血液のすり替えもなく、明らかに娘であることが証明された。

また、警察が調べなかった超高度な血液内の化学物質の検査の依頼をしたところ、ある超高級食物にだけある化学物質が見つかった。

なぜ拉致の間に、そのような高級食品を口に入れられたのか。

ということで、この化学物質を端緒にポーブラッドショーは、真実究明に奔走する。

 

 

読了。

 

やっぱりこのポーとブラッドショーのコンビネーションは最強だ。

ポーの 天才的な刑事の勘 とブラッドショーのテクノロジーを駆使した 天才的な分析力 は、どんな悪い奴も逃がしはしない。

なにせ ブラッドショーの知能指数 は、IQ160と言われているスティーヴン・ホーキンス博士よりもはるかに高いのだ。

その彼女がポーに絶対的な忠誠心を持つのが何とも愛らしい。

この二人の活躍で、真実までたどり着く過程は圧巻である。

 

また、この本の題名『ブラックサマーの殺人』ブラックサマーとは?

これが、この事件を解くカギとなる言葉であった。

 

後半は、時間を忘れ一気読みになること間違いない。

 

面白かったなー