『バスカヴィル家の犬』
アーサー・コナン ドイル 著 角川文庫
謎に包まれた一族の呪いに、ホームズが挑む!
【内容(「BOOK」データベースより)】
イギリス南西部の旧家バスカヴィル一族。その当主が遺体で発見された。死因は心臓発作。しかし不思議なことに、遺体発見現場にはとてつもなく巨大な猟犬の足跡が。実は、呪われた魔犬伝説により一族ではこれまで不可解な最期を遂げた者が多いのだった…。呪われた一族の謎をめぐる、シリーズ史上最も得体の知れない難事件にシャーロック・ホームズが挑む!一気読み必至の傑作長編小説を、瑞々しく読みやすい新訳で!
シャーロック・ホームズ に ジェイムズ・モーティマー なる依頼人が来た。
彼はデヴォン州の500年もの歴史のある旧家バスカヴィル家 に仕える医師。
バスカヴィル家の当主チャールズが心臓発作で亡くなったとのこと。
ホームズに、一族の 言い伝え を書いた文書を読み上げた。
それは、世にも恐ろしい 魔犬伝説 で、代々一族の当主は呪われ死に至るというもの。
新しい当主を危険から守り、先代の死について調べて欲しいというものだった。
新しく当主になるのは、亡くなったチャールズの弟(故)の息子 ヘンリー、つまり甥にあたる。
チャールズの遺体のそばには大きな 猟犬のような足跡 があったという。
チャールズの死の前、大きな犬の目撃者が3人。だがチャールズが死んだあとは目撃されていない。
この事件を聞いて、ワトスンは背筋がぞっとしたが、ホームズの眼はきらりと輝き興味を持った。
そして、まずホームズは新しい当主ヘンリーに会うことにした。
舞台は、デヴォン州 ダートムア。ムア(moor)とは荒れ野のことである。
ムアには 底なし沼 もあり、夜に聞こえる 魔犬の不気味な咆哮 に、読者は恐ろしいイメージを植え付けられる。
今回ホームズは、他に解決しなければいけない大事な仕事があり、バスカヴィル館には ワトスンだけ が行くことになった。
新しい当主を守るため片時もそばを離れないように、そして毎日ホームズにはどんな些細なことでも報告するようにとホームズから指示を受けた。
ホームズは ワトスンから得た情報で理論を組み立てる のが自分の役目だと言いベイカー街に残った。
新当主ヘンリーは、バスカヴィル館に向かう前に<ムアには近づくな>という脅迫状らしきものを受け取る。
さて、ホームズに託されたワトスンはダートムアでどんな活躍をしてくれるのか楽しみに読む。
読了。
うーん!なんといってよいのか…
これがコナン・ドイルのシャーロック・ホームズか。
コナン・ドイルの本は『緋色の研究』を読んだことあるが、内容をまるで覚えていない。
それ以降、読んでいないということは、たぶんあまり面白くなかったのかもしれない。
シャーロック・ホームズは、海外ドラマで複数の俳優が主演してシリーズ化しているので、それをよく観ていた。
古いところではジェレミー・ブレットのホームズがなつかしい。
原作に忠実に作られていて、一番ホームズの雰囲気を持っているように思うので印象深い。
次にジョニー・リー・ミラーのホームズ。このシリーズはワトソンが女性でルーシー・リューが演じている。
ドラック中毒の過去が背景にあるというダーティーなホームズだ。
一番新しいところでは、ベネディクト・カンバーバッチのホームズ。
このシリーズは、かなり脚本が練られていて、現代的で大胆なホームズ版となっている。
シリーズのあるエピソードで、高いビルから自ら飛び降りて死ぬシーンには度肝を抜かれた。
本当にホームズは死んだのか?
これは、後のストーリー展開に重要なシーンなのだが、なかなかシリアスなホームズを演じていて斬新だ。
というわけで、私にとっては海外ドラマの方が、ホームズが生き生きと活躍しているように見えるのだ。
この小説は登場人物が少なくて、犯人を推理するまでもなく、可能性のある人物は一人に絞られる。
そして、その推理はそのまま当たっていて、展開も起伏のないストーリー、インパクトなしでなーんだとなる。
日本映画が最近放映され話題になったので、小説を読みたくなったのだが、もしかして映画の方が良くできていたのではと思った。
後で調べたら、映画の方は登場人物が増えているらしい。
やっぱりね。そうでもしないと単純すぎて面白くならない。
シャーロック・ホームズの小説は長編は少なく短編集の方が多い。
それなので、ドラマ化するにはちょうどいいのではないのかな。
これからも、ドラマで楽しむことにする。