「苦しみの海」と「天国」
ーーー水俣病事件では、日本資本主義がさらなる苛酷度をもって
繁栄の名のもとに食い尽くすものは、
もはや個人の命そのものであることを、
わたくしたちは知る。
『苦海浄土 わが水俣病』石牟礼道子著 あとがきより
石牟礼道子は 地元における公害による水俣病惨苦の詳細な情報を発表する
われわれの「苦海・苦界(地獄)」を
同時進行として「人間の尊厳・自然の桃源郷(天国)」を
『苦海浄土』とは『地獄と天国』ということである
アンダーソンの短編に『南部で逢った人』というのがある
これは第一次世界大戦の負傷の後遺症でまともな生活を送れない人物の
帰還後のささやかな「天国」の生き方の物語である
睡眠障害を克服するため大量の飲酒をし酔ったまま<野外>で深々とすやすやと
寝る習慣 「天国」をみつけるという話
『苦海浄土 わが水俣病』は石牟礼道子自身の「苦海浄土・地獄と天国」の話である
死なされたり苦しんでいる患者にのり移っている文章、、、、、、、
「この地球全体がおかしくなったと言われるような時代になった。
その核のようなものが水俣にはあると思うんですよ。
それは人間の生身を通じてあると思う。
ひとりひとり人は何のために生きているのだろうと 改めて思いますね。
人間が辱められている存在が、、、
で 一字ずつゆっくりかかって 一字ずつ言葉を探して
書き始めましたね。