「銭塘湖(せんとうこ)春行」 白居易
孤山寺の北 賈亭(こてい)の西
水面初めて平らかにして雲脚低(た)る
幾処の早鶯か暖樹を争い
誰が家の新燕か春泥を啄む
乱花漸く人眼を迷わさんと欲し
浅草僅かに能く馬蹄を没す
最も愛す湖東 行けども足らず
緑楊陰裏 白沙堤
銭塘湖 浙江省杭州市にある西湖のこと
名勝地
雲脚 地に接するようにたれさがった雲
孤山寺の北 賈亭の西
水面(みなも)平に雲低くたれたり
おちこちには はや鶯の暖かき枝を争い
軒近く燕の春泥を啄む
乱れ咲く花はいつか人の目を迷わさんとし
若草はわずかに蹄を隠すのみ
最も愛す湖東 行けども足らず
緑楊の木陰 白沙の堤
西湖の水面は平かで 雲は低く垂れている
はや鶯が来ていて あちこちの暖かい枝で遊んでいる
今年一番の燕も来ている 春泥を啄んでいる
乱れ咲く花は いつか人の目を惑わす
若草の丈は わずかに馬蹄を隠すのみ
最も愛す湖東 いくら歩いても飽きない
緑楊の木陰 白沙の堤、、、、、、、