「春夜 雨を喜ぶ」   杜甫

 

  杜甫 唐 712〜770

     若くして詩を愛し 旅を愛し 33歳の頃

     11歳年長の李白と知合う

     官途に志を得ず 安史の乱に遭い 生涯放浪生活を続ける

     浪漫主義な李白に対し 厳しい現実主義的な詩の道を開く

 

 

   好雨 時節を知り  春に当たって乃ち発生す

 

   風に随いて潜に夜に入り  物を潤して細かにして声無し

 

   野径 雲 倶に黒く  江船 火 独り 明らかなり

 

   暁に紅の潤う処を看れば  花は重からん 錦官城 

 

 

 

 まず 題名がいい 「春夜 雨を喜ぶ」 「春の夜の雨」嬉しい!

 春の雨は時節を知っていて すべての生物を成長させようとする

 

 風に従いて密かに夜に入り! 風とともにひっそりと夜にしのびこみ

 いい 野の道も雲も 真っ暗で見えない 船の灯りだけがぽっつりと

 

 暁がやってくる 紅に潤う 成都の錦官城の花たちは重そうに濡れそぼっている

 ことだろう

 

 若くして詩を愛し! 旅を愛し!

 生涯! 放浪生活を続けた! 杜甫!