デブッタンテ | 梯子ダルマ オフィシャろうブログ

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ラジオネーム:梯子ダルマとして深夜ラジオにメールを送っていた、現在放送作家として働く26歳の男が書くブログです。

思ったことを書いて、賛同・誹謗中傷などの反応がきて、コメントがきっかけで会話をしたり、そんな交流が嬉しいです。

TBSラジオ『デブッタンテ』が終了した。

大げさではあるが、自分にとって転換点であり、人生の指針を左右した番組でした。



デブッタンテの番組スタートを報じた「お笑いナタリー」の記事を見たあの瞬間を、今でも覚えている。

ちょうど大学2年の頃、「就職」について考え始めた時だった。















高3の頃から深夜ラジオを聴き始め、大学受験の会場に向かいながら、深夜の馬鹿力やバナナムーンのポッドキャストを聴き尽くす。

盤石のJUNK。伊集院光(敬称略ですが)、爆笑問題、南海キャンディーズ山里亮太、おぎやはぎにバナナマン、エレ片。隙のない、これからまた何年も番組の歴史を積み上げていくであろう盤石の、完成された布陣。良い意味で遠く、ラジオ好きの自分の中で“神話”化していたTBSの芸人ラジオの並び。

「こういう業界で働けたらいいな」と、子供が仮面ライダーを目指すのと何ら変わりない思考回路で、大好きな「ラジオ」に関わる仕事をしたいと思っていた。




そんな中、デブッタンテが始まる。勝手に僕は、自分と「番組」を重ねてしまった。「TBS芸人ラジオと言えばJUNK」そんな確固たるイメージに風穴を開けようと、新世代の若手が「ラジオ初心者」から駆け上がっていく、のし上がっていく兆し。プロデューサーがJUNKを統括する宮㟢さんであったことも大きい。「これから新しく、何かが始まるんだな」と、たまらないワクワクを肌で感じた。

そんな、大げさに言えば「時代の発芽」にまんまと影響を受け、番組の勢いという名のガソリンを少しばかり自分のエンジンに拝借する。




番組へのメールを日課にしつつ、デブッタンテも2年目を迎える昨年の4月から養成所へ通い始める。ネタメールを送るだけではあったが、デブッタンテとの繋がりが大きなモチベーションだった。「いつか仕事をしたい」と、1年間、毎週早起きをして、慣れない手つきでパソコンを打ち、ノートをとった。


プレゼン・面接・面接・筆記テストを経て、今年の4月からなんとか事務所に所属。7月には研修期間も終わり、自ら誇らしげに名乗ることはないものの、怖い大人に身分を聞かれたのならば正直に「放送作家です」と白状できる身分にはなった。といっても、ようやく名刺を貰えるようになったぐらいだけど。



ほぼ無給・無休の状態で、時々かするように業界の風を頬で受けながら、チマチマとパソコンに向かっている。真面目人間な両親は給与の少なさに驚き、頻繁に仕事内容について僕に質問してくるが、とはいえ養成所入りを許してくれた時点で、ある程度の腹は決まっていたのだと思う。

扶養の手続きをするためにわざわざバイトを辞めたり、「給料が出るまで」と親が僕の結婚式などの為に貯めてくれていた貯金を切り崩したりと、情けないことばかり。彼女もいないし。すみません。



まだ半年。後にこのブログを馬鹿にされてしまうような決断もするかも。大げさでなく、明日辞めてもおかしくない。



力不足で先も見えず、「まだ新人ですから」と言い訳をしたがる自分に恐ろしいほど自信を無くしてしまったが、とはいえ、他の道はあまり考えられなかった。サラリーマンになることは出来ただろうけど、やりがいを見出せなかったと思う。そもそも大学選びの時点から、「楽しそう」という理由だけで、文学部とかばかりを受験していた。



暗中模索の中、僕の足元を照らすのは大好きなラジオ番組。祖父の形見のラジカセのスイッチを押した中学二年生のあの日に、全てが始まったと思えば感慨深い。運命的なことに、この日初めて僕が自分から聴いたそのラジオ番組の作家さんに、今お世話になっていたりする。


「将来は公務員にでもなりそう」と言われ続けた学生時代から考えれば意外な現状で。いつから本当はそうだったのか、実は「楽しいことしたいよね」としか思っていない。


ラジオを通してスピーカーの向こうと繋がるあの刺激は、人1人の人生を動かすのに充分だ。

もちろん、他の要素もある。「アルコ&ピースのANN」もそうだし、「いつか一緒に仕事しよう」と言ってくれた芸人さんもいる。



うしろシティ・ハライチがそれぞれ冠番組を持ち、2年半前に感じた明るい兆しはしっかりと現実のものになっている。もしいつか、たとえライブを見に行く一般の客としてでも、会うことが出来れば、惜しみない感謝を伝えたい。お金もないし眠いけど、日々に楽しさは満ち溢れている。ウジウジしていた自分の背中を押してくれた番組のひとつがデブッタンテでした。



ひとつの物事に異常なほど愛を執着させることに関しては少し抵抗があるので、この長文の自分語り兼ラブレターもこの辺で。「おぉ気持ち悪い」と思われないことを祈ります。別に“心酔”はしてないし、もし新番組が始まっていなくたって泣いたりはしません。





兎にも角にも、2年半お疲れ様でした。

楽しかった。


ありがとうございました。

また。


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