アラフィフの私が、オランダで1から車の免許を取得するまでの奮闘記録です。        

 

 

ふんだりけったりな最初の試験から2か月後、3月に再試験を受けました。    

 

そしてこの予約もまた、月曜日の7時半という、

前回よりもまだ早い朝イチの試験なのでした。     

 

なんでこんな時間ばっかりの予約とる? スクールを少し恨みました。   

知人友人が口をそろえて言うのが、    

 

「実技試験は金曜日の午後がいい。あと数時間で週末で、試験管は機嫌がいいから」    

という話。  

要するに、試験管の機嫌によって合否が確定するという。    

なのに、その正反対の月曜日の朝イチって・・・   

 

実際、この試験で実感したのが、オランダでの実技試験は完全に試験管の独断で、採点表すらないのです。 

沢山の知人が言ってました。      

 

「実技試験てのはパフォーマンスなんだよ。試験管に”見せる”のが大事。」      

 

例えば、フロントミラーをわざと少し見にくい角度にしておくと良いというアドバイス。  

視線だけ動かしてたら確認動作が見えないのですよ。 

首を動かしてミラーチェックを行えば、「確認してるよ!」というアピールが出来る。       

 

 最初の試験からの2か月、週に2,3回のレッスンを受けて、かなりインテンシブに練習を重ねました。  

仮テストの特別操作免除が適用されるのは最初の試験1回だけなので、再試験からはしっかり特別操作もあります。    

駐車やら坂道発進、Uターンやバック進行などの練習もみっちり行い、 前回指摘された問題点を改善すべく、あらゆるルートを運転しました。      

 

試験当日。

 

早朝に起きて用意し、インストラクターと20分ほど近場をくるっと回って、テスト会場へ。   

 

この日も受験者で待合室は満室でした。      

今回の試験管はオランダ人の白人男性。   

いつものように、先に面接します。 

・・・緊張で、何を話したのか覚えてません。 

 

その後外に出て、車のナンバープレートを読む視力検査をして、車に乗り込む。   

今回は私のインストラクターは同乗出来たようで、後部座席に座りました。   

試験管から、車に関する知識の質問を受けてのち、出発です。       

 

「ではまず出て右、そのあとロータリーを右へ行って」            

 

この日行ったルートは、何度も練習したルートから始まって、行ったこと無いエリアを通って、特別操作の指示を受け、そこからナビで試験場に戻ってくるというルートでした。      

 

練習で何度か通った、受験者がよくミスするスポットは特に通らず、割とスタンダードなルートだったと思う。    

無事すべてをこなして試験場へ戻って駐車し、最初の面接会場のテーブルに戻って椅子に座ると、      

 

「お疲れ様でした。 残念ながら、いいニュースではないんだけど、今回のテストは不合格です」    

 

と言われたのでした。     

 

正直、ショックで固まって声が出ませんでした。   

 

なぜなら、自分ではうまく行ったと思っていたのです。  

失敗もしてないし、特別操作2つもできたし、すこし難しいと思われるポイントもちゃんと判断して乗り切ったし、これは合格したかも? と思っていたので。      

 

動機が早くなって、頭に血が上るのを感じながら、拳を握りしめて聞きました。      

 

「どうしてでしょう? ミスはしてないし、いいパフォーマンスできたと自分では思うんですが」      

 

「頑張っていたのはわかるよ。ただ、交差点においての判断がまだ甘い。例えば最初、高速に入る前の交差点で、シフトダウンが少し遅かったね。あと、ロータリー前の減速がちょっと早い。これは後ろの交通に影響するし、危険を招きかねないね」     

 

シフトダウンが遅い? 

減速が早い? 

って、それだけで???   

 

全く納得いってない私は、食い下がりました。    

 

「あの、でも、そういうのは経験で賄うものですよね? いきなりできませんよね?」      

 

するとクールな面持ちでこの白人オランダ人男性は言う。   

 

「そうね、だからもう少し練習が必要ですね。あともうすこし練習をつめば、良くなりますよ」      

 

もうちょっと練習って、その練習にいくらかかると思ってんだよ。 

 試験受けるのもいくらかかると思ってんだよ。    

親と一緒に自家用車で練習できる17歳じゃないのよ、私は。 

旦那が一生懸命働いた稼ぎから大金つぎこんでレッスン受けてるのよ。   

 

と言いたい気持ちをぐっとこらえて隣を見たら、インストラクターが申し訳なさそうな顔で私を見てました。  

 

何を言っても結果が翻るわけじゃないんだよ、しょうがないよ、という目で。   

 

それはわかってる。 

でも、この理不尽さに言葉にならない憤りを感じるわたし。   

 

試験場を出て、悔し涙を流す私にかける言葉もないインストラクターは、黙って家まで送ってくれました。   

 

家についてから、インストラクターが言いました。   

 

「この時期、試験の予約が取りやすいみたいだから、なるべく早い予約とれるようにスクールに言うから。 

何にしても、今日君はとてもよくやったよ。誇りに思うよ。普通に合格してるレベルだよ。 悔しいと思うけど、受け入れて、切り替えていこう。」   

 

受け入れて切り替える。    

わかるけど、こんな不条理な事、簡単に切り替えられない。 

考えれば考えるほど、アンフェアさに腹が立つ。   

 

だいたいこの実技試験に、採点表ってあるのか? 

絶対無い。  

カテゴリ別に点数つけられて、例えば70点以上で合格で、惜しくも今回は65点でしたとか、そういう明確な点数があれば納得もいくってもんでしょ? 

無いのですよ。   

30分ほどの試乗時間の間、半分くらいは後部座席に座ってる私のインストラクターとバカンスの話とかしてたじゃん。 

インストラクターは試験管のご機嫌を少しでもうかがうべく、フレンドリーにおしゃべりするんだけど、この作戦全然効いてないっていう。   

 

その日にCBRから結果メールが早くも届く。 

不合格の理由は、前回と同じ「交差点においての判断」っていう、ざっくりした内容の1行だけ。 

システムに不合格の理由が複数羅列してて、該当するボタンをポチポチっと選びましたみたいな結果表。 

 

ますます腹立つ。   

 

私としては、この日のパフォーマンスが自分的には今できる精一杯だったので、これからどこをどう改善して練習すればいいのか、「交差点においての判断」だけじゃさっぱりわからなかった。

 わからないのに、どうやって練習するの? 

1時間1万円ちかくするレッスンをムヤミにうけるわけ?   

 

よく眠れない夜を過ごして次の日、さらにCBRからメールが。   

するとなんと、早くも次の再々試験の予約が完了しましたというお知らせなのでした。 

 

インストラクター、スクールに掛け合って速攻で次の予約いれてくれたようでした。   

「この時期、予約とれやすい」

といってた通り、なんと2週間後の月曜日が再々試験の日程でした。