研究室の引っ越しが迫っています。

 

現在の仮住まいに引っ越してから2年。

あっという間と言えば、あっという間ですが

大量の物品や機器の前で、さてどうするか。

 

また並行してデータを出さないといけない案件もあるので、

物品のパッキングをしながら、最低限実験をしつつ、部屋の整理と、

まるで退却しながら戦いつづける「しんがり」

の心模様です。

 

 

さて、そんな中気になる論文(Science Advances誌)を見かけました。

 

 

The SARS-CoV-2 spike protein binds and modulates estrogen receptors

(新型コロナウイルスのスパイクタンパク質はエストロゲン受容体に結合し改変する)

 

 

https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.add4150

 

 

一般的に、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質(S)は感染機構として

アンジオテンシン返還酵素2(ACE2)に結合することが知られています。

この論文では、Sがマウスとヒトのエストロゲン受容体α(ERα)に結合し

肺胞マクロファージにもSが局在することを報告しています。

 

ERαはエストロゲン(女性ホルモン)が結合し活性化されます。

エストロゲンは妊娠の際、胚の着床を支えますし、

ERαは卵巣での卵胞の成熟を調整するとされています。

妊娠中には赤血球細胞の増加が、造血細胞に発現する

ERαに依存して誘導された、という報告(Nakada et al. 2014 DOI: 10.7875/first.author.2014.021)もあります。

 

このように健康な妊娠や胎児の発達に重要であることが伺えますが、

上述の論文では、コロナウイルスのSがERαに結合するという。

Sとなると、mRNA薬剤接種により生産されるSも同様ということになりそうですが、

この影響について、ぜひ専門の方のご意見を伺いたい。

 

 

当初

「mRNA薬剤接種は妊娠には影響しない」

そう断言していた方もいました。

 

しかしこの論文は極めてこの観点から懸念を感じるものでした。

 

 

事実を確かめることは研究者や医師の責務と言えます。

ただ、もしmRNA薬剤が妊娠に影響するとなると

8割近い国民が一回以上接種している日本を顧みると

この事実を、特に若い女性・学生に伝えるのは

なかなか簡単ではありません。

 

杞憂に終わってほしいのは勿論ですが、

このような論文が出ているのであれば、

真摯に向き合い、検証して欲しい。

 

その上で、もし事実であれば、どのようにして

そのリスクを回避できるのか。

その回避方法も含めて、早く広く国民に発信して欲しい。

 

6回目接種なぞ言っている話ではない。