備えよう、がん保険。
そんな似たようなフレーズで、多くのがん保険の宣伝がなされています。
2人に1人が、がんになる時代。
そなえよう。
いつだったかな、こう思ったんですよ。
なんで「癌になる前提」で全て考えるんだろうって。
がんを予防する、いやもっと言うと、なぜこれだけの人ががんにかかるんだろうってね。
がんになる前提よりも、なぜがんになるのか。
がんにならないことに、思考を移せないかってね。
出典:厚生労働省(人口動態統計)
がんによる死亡率はあいかわらずトップを走っている。
2021年のがん死亡者数は381,505人。
年間これだけの人が亡くなっている。
がんや事故など問わず、2021年の死亡者数は143万。
超過死亡の問題もある。
一方、2022年の出生数は79万人。
とうとう80万人を切ったことで話題になっている。
話を戻します。
いつだったか、
がん保険が跋扈するこの時代に違和感を感じたんです。
20代後半から30代前半。
東京の食品会社に就職していた時。
食からの観点から、この日本の状況を考えてました。
我々の体は食から成り立ってる。
日々呼吸するためには空気を体に通している。
「食と空気」と言う感覚が妙に浮かんだ記憶があります。
それから時間が経って、その想いはますます強くなってる。
便利には表裏一体に存在するものがあるはずだ。
食に着目すると、祖父の時代、父親の若い時代から
それはドラスティックに食生活は変わってる。
食の素材だけでなく、加工の部分も含めて以前にはなかった
技術、加工食、調味料も生まれてきた。
着色料でいうと、全体の80%を占めているのは「カラメル色素」。
スーパーの食品を見てください。
飲料、調味料、総菜… 殆んどのものにといっても過言でないくらい
カラメル色素が入っている。
カラメル色素は以前は天然着色料とされていましたが、
食品衛生法の改正に伴い、カラメルI, Ⅱ,Ⅲ,Ⅳに再分類されました。
いわゆる昔からのカラメルはⅠ。
砂糖を加熱して、褐色化させたもの。
昔は自宅でも作っていました。
一般的に、害は(少)ないとされている。
ただ産業的にはコストがかかるため、
汎用品としては使用されていない。
現在業務用として利用されているのは、ⅢとⅣのカラメル。
これは何かというと、
・Ⅲの場合は、デンプン加水分解物や糖蜜または食用の炭水化物にアンモニウム化合物を入れる、
・Ⅳの場合は、デンプン加水分解物や糖蜜または食用の炭水化物にアンモニウム化合物と亜硫酸化合物を入れる。
それらを酸かアルカリを添加し加熱処理して得られます。
Ⅳの製法はコカ・コーラ社が特許を取得しているようですね。
このカラメル色素の問題点の一つとして指摘されているのが、
作成工程で生産される副生成物「4-メチルイミダゾール(4-MI)」。
これがいわゆる、がんのリスクを高めることが懸念されています。
このがんに加え、最近では生殖に係る影響。
すなわち精子の受精率や卵母細胞のミトコンドリア障害の報告がなされています(Lu et al. 2022)
図:コントロール(4-MIを暴露させていない卵母細胞)では精子が付着している。一方4-MI暴露させた場合、その付着率は著しく低下している。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278691522002496?ref=cra_js_challenge&fr=RR-1
がんにしろ、不妊にしろ。
日々生きるためには呼吸をし、食べ物をとる。
やはりこの毎日の食の蓄積は、多大なる影響があるはず。
そんな意識が20代後半から生まれ、子供も生まれた今では
何とかしたいという強い想いがあります。
戦後。
祖父母、父親母親、私、そして息子。
それぞれの人生の長さを定規で引いてみると、
その数十年レベルで大きなことが起こってる。
それは食生活も含めて。
答えが出るか分からないが、
問い続けたい。