9/5-9/7にかけて日本水産学会秋季大会が開催されました。

 

 

 

 

運悪くというのか、直前まで台風11号の接近も相まって

どうスケジュールを立てるのか、実施できるか否かも含めて

関係者で議論していました。

 

蓋を開ければ、天候にもめぐまれ

2年ぶり、対面式での学会大会を実施することができました。

ご協力頂いたアルバイトの学生や企業の皆さま、シーガイアのスタッフの皆様に

感謝申し上げます。

 

 

学会のポスター発表者の中に韓国の方がいらっしゃいまいました。

韓国の大学で学部を卒業し、以降日本の大学に進学、博士の学位は日本で取られたようです。

 

最初は研究内容について、議論していたのですが、やはり韓国ということもあり

私が学生時代に韓国に留学していた話に繋がりました。

 

私「韓国のどちらですか?」

 

発表者「釜山(プサン)です」

 

私「ああ、私もプサンです。もしかして釜慶大学ですか?」

 

発表者「そうです。釜慶大学を卒業しました」。

 

やっぱりね。

プサンで海洋水産系の大学というと、やはり釜慶大。

 

私「私はJ先生の研究室にお世話になったんです」

 

発表者「J先生!!私も教えを受けたことがあります」

 

私「そうですか!!」

 

発表者「J先生、残念でしたよね。2年前に亡くなられましたから…」

 

 

 

 

 

 

コロナ禍に入る以前。

私が現在の教員の立場になってからも、

国際学会でお会いすることもありました。

私が留学していた20数年前と変わらぬ

立ち居振る舞いで、優しく接してくれました。

 

今でも留学中の研究室の雰囲気、

そこにいらっしゃった先生のお姿を

明瞭に覚えています。

 

アメリカにも留学されていた先生は、

どこかスマートで、何となく他の韓国の先生方とも

異なる雰囲気を醸し出されていました。

 

留学したい

という突然の申し出に、快く引き受けてくれました。

韓国での生活、研究に集中できたのは、まさしく先生のおかげでした。

 

留学が終わった後、その時の研究成果で論文も一緒に出させて頂けました。

結婚後、韓国人の妻もつれてご挨拶に伺うと、ご夫婦で日本料理屋に連れて行ってくださいました。

釜慶大学の教授、ご退官後も精力的に養殖に関わる仕事を展開されていたとも聞いていました。

 

コロナ禍に入った後も、お元気にされていると思っていました。

そういえば2年ほど前、メールを送ったのですが、珍しく返信が無かった。

 

もう少ししつこくご連絡差し上げておくべきだったと、

今になり思います。

 

 

韓国留学中の一枚の写真が残っていました。

私が借りていた研究室のデスク。

この一枚で、当時の風景、においが蘇ってきます。

 

間違いなく先生のおかげで、私の人生や研究の足跡は

大きく異なるものになったと思います。

勿論、それは豊かな方に。

 

この経験が、かき消されないような

そんなこれからを生きたい

と改めて思います。

 

 

 

ご冥福をお祈り申し上げます。