次亜塩素酸水の報道が波紋を呼んでいますよね。

 

これを受けて反応した報道やコメントも散見されますが、

ポイントは2つあり、一つ目は、

次亜塩素酸と他の塩素系消毒液(次亜塩素酸ナトリウム、製品だと『ハイター』などが有名)

の違いを明確にする必要があるでしょう。

 

次亜塩素酸は基本的に、塩酸や塩化ナトリウム等を電気分解して得られるものです。

一方、次亜塩素酸ナトリウムは、イオン体であり

両者に共通しているのは殺菌成分である「次亜塩素酸」を含有している点。

 

一方、大きく異なっているのは、次亜塩素酸水は弱酸性を示すのに対し、

次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリを示します。

市販のハイターもそうですが、触ったことある方は実感すると思いますが、

かなりぬるぬるとしており、特に肌が弱い方は、荒れてしまう。

 

私のラボでも簡易殺菌には用いていますが、

基本的にある意味危険物と認識しながら使っています。

 

また市販のハイターなどは、次亜塩素酸ナトリウム以外の添加物も入っているため、

漂白や人体以外の除菌には使えますが、

およそ人に対して直接用いる代物ではありません。

 

参考資料も添付しておきます。

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0819-8k.pdf

 

 

もう一点は、今回の一連の報道で、

「次亜塩素酸水の新型コロナに対する効果がない」

という点。

 

これはよくよく考えてみないといけないのですが、

①(実施したが)効果を示す結果が得られていないのか

のか、

②(実施しておらず)効果を示すエビデンスが見られないのか

で大きくかわります。

 

また①の場合でも、

濃度はどうなんだ、という話です。

 

アルコールにしろ、何にしろ濃度は重要。

どの程度のレベルで「効果がない」と発信するかは

非常に重要です。

 

また②なのであれば、そもそも次亜塩素酸水の有効性を喧伝していた理由事態を問う必要があります。

 

効果を検証していたNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)も一連の報道に対し、

困惑しているような報道もでています。

 

https://cela-water.com/information/0001.html

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000056737.html

 

 

今回の新型コロナに限らず

「報道」の危うさが浮き彫りになっていると言えます。