宮崎県の南部、日南市に油津という地域があるのですが、
その近くに古くから物流を支えた"堀川運河"という運河があります。
地域の歴史の上でも、とても重要な運河だったようなのですが、
それとは別に、この場所は有名な点があります。
寅さんこと、かの「男はつらいよ」シリーズ第45作
"寅次郎の青春(1992年)"の舞台が、この日南の堀川運河のほとりなのです。
以前からきにはなっていたのですが、通り過ぎるだけで、なかなか足を止めていなかったこの運河。
先日、ようやく、足を運べました。
本作では、この堀川運河のみならず、日南の海岸や青島、飫肥城など
宮崎ならではの名所がロケ地に選ばれています。
堀川資料館入り口にて。
妻とチビ太郎。
資料館内部。
寅さんにまつわる展示があります。
階段上でたたずむチビ太郎。
吾平津(あひらつ)神社にて、管理人とチビ太郎。
立派な神社でした。
日南のアーケードを歩くチビ太郎。
男はつらいよシリーズではおなじみのマドンナ役が、本作では風吹ジュンさん。
この運河のほとりで美容室を経営していて、ここに寅さんがふらっと現れるんですよね。
古い街並みを横目に運河を歩くと、その美容室はありました。
店の火は消えていました。
看板もみられず、壁は朽ち果て、かつてはサインポールが回っていたであろう
その跡が、ここがかつての美容室、寅さんと風吹ジュンが語り合ったであろう
名残を、微かに伝えてくれていました。
この世の中にあるものは、全て浮かんでは消えていきます。
夜空に浮かぶ星々でさえ寿命があります。
在りし日の「男はつらいよ」の風景と、
現在、見ているこの風景を重ねて、
ふと、そんなことを考えていました。