昨年度末、タイ・バンコクに出張する機会がありました。
学会の合間をぬって、チャオプラヤ川をボートで下りました。
目的地は以前、プライベートでも訪問した、シリラット病院。
チャオプラヤリバーを下ります。
川岸に、新旧様々な建物が。
4,5年前に訪問したときと比べて、バンコクも道路や交通網の整備が格段に進んでいました。
わかりづらいですが、ボートの船着き場の一か所に、魚が集中していました。
市街地側の乗り場なので、有機物など餌が豊富なのかもしれませんが、それにしても多い。
日本の熱帯魚ショップでも見かける、カイヤンのような、魚種ですね。
シリラット病院はその名の通り、病院なのですが、その病院の一角に
Siriraj Medical Museum、通称「遺体博物館」というミュージアムがあります。
以前、見学させて頂いたことはあるのですが、本ミュージアムでは、
疾患のため生まれ出なかった胎児の標本や、事件・事故の写真・関連物、
津波や火災など、災害時の状況に関する資料など、生々しい展示がなされています。
私はいつも思うのですが、なかなかこのような情報は、
特定の書籍や資料、もしくはこのような博物館でしか見る機会がありません。
日本にしろ、津波や火災、地震など、どうようなことが起こっていて、
それに対処し、懸命に救助・捜索活動を行っている方々もいる。
報道や記事などで見聞きしますが、この現実をこのような博物館の資料のもと
突き付けられると、同じ事象に対して向き合い方が、大きく変わってくるのです。
今回訪れたのは、国際交流のフィールドトリップとして、このシリラットの博物館を
訪問できないか、検討するためでした。
私の研究分野とは異なりますが、国際交流の一環として、
このような施設と資料を見ることは、とてもインプレッシブなはずです。
実際、インターナショナルスクールの学生(高校生?)も、先生に引率され
見学に来ていました。
直接的な写真や標本もあり、初めての方は、かなり衝撃を受けると思いますが、
世の中の当たり前を、触れる良い機会になるのではと思っています。
ヒトの生き死に、世界のいろいろは、角度によって色を変えますからね。
今回、視察にこれてよかった。
シリラット病院付近のマーケット。