昨日我がラボMEMにSEMのデモ機が来ました。
SEMとはなんぞや。
SEMとは、走査型電子顕微鏡の英語名の略なのです。
微生物など小さな生き物の細胞形態は勿論、生物や鉱物の特定の箇所の構造を詳細に観察したい。
そんなときに必須のアイテムです。
世の中は分子生物学の潮流になっていますが、
やはり直接対象物獲る、見るということは大事だと思います。
ご参考までに、このSEMデモ機でとった写真のうち、
お遊びの写真を。
これ何かわかりますか。
これは、グルコース(ブドウ糖)
の粉の拡大写真なのです。
迫力ありますよね。
どこかの惑星の表面のようでもあり、古代遺跡のようでもあります。
直接研究とは関係ないのかもしれませんが、普段見ている小さなものや
特定の場所を、このような技術で見れる。
こんな楽しいことはないですよ。
学生時代のラボにもSEMがあったのですが、
すげーなー
といつになく興奮したことを思い出します。
あの頃の学生は、機器が高額なことはさることながら、
普段触れない機械があるので、こんなものを触れる機会はないから、
いろいろやってみようよ。
ってな、感覚があったんです。
あれから20年以上たちましたが、
今回のようにデモ機が来ても、私はとっても楽しくなるんです。
そういったことが、曲がりなりにも研究者に足を突っ込んで
ここまで来れているのかと思うことはあります。
ただ、そうなると今の学生はどうなのか、って話になりますよね。
難しいのですが、時代が変わって変わることもあります。
同じことが20年後にそのまま置き換えらるかどうか、
これは世の中の事象によって大いに違います。
ただ人類の長い歴史の中で、
研究だったり何かが動くときの原動力は、
好奇心だったり、「面白いことしようよ!!」
という感覚だと思うんです。
これは変わらないだろうねって。
今日も私はリハビリと息子のケアがありますが、
研究生活の中に私の日常があります。
日常の中に研究生活がある。
引退したとき、日常の中から研究生活が消えるかもしれない。
そんなことをそろそろ考えておいてもいい気がします。