「正雄ちゃん今日は靴を自分ではけたのね」
とお母さんが優しく問いかけます。
「ちょうちょ結びもできたのね。えらいなぁ、龍之介」
お父さんが細い目で息子をたたえます。
こんな幼子の靴紐にまつわる会話は、古今東西続いていたのでしょう。
先日、スポーツ洋品店に行きました。
バックパーカー的な旅行用のカバンを買いに行ったのですが、
うちの学科の学生がバイトしていました。
皆さん働いていますな。
その時に、見かけたランニングシューズ。
むむむ、なんだこのスタイリッシュなフォルムは!!
「New Balance Fuel Core Sonic」
私は別にニューバランスさんの宣伝部長でもなんでもありません。
私は簡単なランニングを日課にしているのですが、
今はいているのは東京の企業時代に、出張先の中国で購入した
ランニングシューズです。
もうかなり磨耗していたので、そろそろ変え時と思っていたからです。
このソニックと呼ばれるニューシューズ。
何が変わっているかと、靴紐がないんです。
いや正確にはあるんですが、結ぶ必要がない。
アウトサイドに丸っこいものがありますよね。
これ押してカチッとふっくのようなものをかけます。
そして回すと、徐々に足全体をこれまたアウトサイドの細いストリングが
程よく足首を締め付けて、フィットします。
おーう、スタイリッシュ。
購入しました。
そして早速ランニングを。
見かけだけでなく、肝心の走りもしっかりサポートしてくれます。
走らずにはいられないそんな感覚です。
ますますニューバランスの差し金と思われそうです。
いやいや、私はただのしがない通りすがりの、一研究者です。
昔ながらの「くつひも」の想ひで。
「正雄ちゃん今日はソニックのフックを緩めて自分ではけたのね」
とお母さんが優しく問いかけます。
「カチカチをサイドを回してべストなフィット感を自分で調節できたのね。えらいなぁ、龍之介」
お父さんが細い目で息子をたたえます。
こんな時代が来そうです。