あっという間に可憐なサクラも咲き去りし
北海道の五月を代表するかのように
ライラックの花が
白と薄紫の色を鮮やかに彩る
今日はでんでんの
一周忌
去年の今頃に思う感情とは
また別の思いが
ふつふつと音を立てるように
沸き上がる
一年間、君の事を忘れた瞬間は
無かったけれど
あの時のように
とめどなく涙が流れる事はなくなった
時間の流れは優しいね
いちねん前の亡くなる前日に封をあけ
でんでんに注いだ命の水
壁に吊り下げていた輸液を手に取った
この一年間、この最後の輸液は
どうしても捨てられずに
日々の風景と化していた
つらい闘病であったであろう
でんでんの毎日も
いつも、飄々とした佇まいで
生きぬいた君
大好きだった
春の四季への思いが
反転してしまった君の死
訳もわからぬ不安と
物憂げな気持ちが
とてつもなく大きな波となり
打ち寄せる
だけれど
ひとつ、そしてまた
ひとつ
優しい時の流れが・・・現実のじかんとして
少しずつ、少しずつ
追想という形に姿をかえてくれる
昨年の透き通るような
爽やかな空とは
うってかわり
今日はシトシトとどんより肌寒い
札幌の空
でんでん
大好きな君を想い
泣いてるお空を見上げてみるね