でんでんを見舞った…
執刀して下さった先生が会議で不在のため
研修医の方に説明を受けながら
でんでんのいるゲージまで案内された
上下二段にずらっと並ぶ
サークルは重篤そうな子で全て埋まっていた
中央に程近い上の段に
こちらに背中を向け
後ろ脚には点滴の管、そして、
腹部には包帯を巻き、横腹から
突起した管をつけた
痛々しい、でんでんがいた
よほど痛いのか丸まりながら小刻みに震え
ゲージの前で研修医とママが
話している声にも無反応で気付かず
微動だにしないでんでんに胸が苦しくなった
でんでんは興奮しやすい子なので
本当はでんでんをちょっと見るだけで
良かった…
しばらくするとママの声に気付き
クルリと起き上がり
まん丸な目をこちらに向け
立ち上がった…
『ママ、僕また、こんなに
痛い思いをしたんだよ』と
言わんばかりに…
その痛みからか
吠える事すらできない
でんでんがママの目を見つめ
『キュキュキュキュッ』と泣いた…
『僕、頑張ったから早く出してね』と
言ってるかのように…
また君にこんなにも
つらい思いをさせてしまった…
でも必ず、栄養が取れて
体力もあがるはずだから…
でんでん
もう少し、もう少しだけ
頑張って
昨日より今日…
今日より明日…
君に与えられた全ての痛みが軽減され、
君の受けた哀しみを今日の雨が
流し去ってくれますように…

