僕は間違えていたかもしれない。


そう思った金曜日。


僕は日誌の曜日の記入欄に木曜日と書いてしまった。

ちなみに僕は、木曜日が好きだ。

よく金曜日は花金と呼ばれる。

一般的に金曜日の次の日は土曜日、日曜日と2連休である。だから金曜日は少しくらい羽目を外して遊んだって構わない。気持ちが緩む。花金。

僕は、その花金が来る前の日が好きだ。だから木曜日が好き。もっと詳しく言えば木曜日の夕方が好きなのだ。

土曜日も日曜日もあっという間に過ぎてしまう。

日曜日のサザエさんのエンディングはあまり好きじゃない。

今日は木曜日でしたか?金曜日でしたか?

最近は本当に曜日の感覚が無くなってきている。


金曜日だと思っていたら、まだ木曜日だった。そんな事はありませんか?

あっという間に時間が過ぎ去っていく中。日々1日、1日が過ぎ去っていく。

でも、僕は、近頃その1年さえも早く感じる。


今まで生きてきた時間を分母にしたら、小さい時の1年と、今の1年を比較した時に今の1年が短いと思うのは当然かもしれない。


でも、今日は違った。


今日は金曜日なのに木曜日だと思っていた。今週は時間の体感スピードが遅れていたのだろうか。

実際に自分の体感時間が、生きていくうちにだんだんと早いものになっていくならば、木曜日が金曜日だと思うことはあるかもしれない。けれど逆はたぶん稀だと思う。


金曜日、金曜日。今日は金曜日だった。


周りの空気は金曜日、花金だった。

僕だけ木曜日と勘違いしていた。僕は木曜日の空気だった。


僕は気づかなかったけれど、周りの花金の空気が、僕を包んだ。

なんだか緩い空気、というか、それは本当は寝ちゃいけない時間に、目をつぶって夢の世界に連れさってしまうかのようなそんな空気。

うとうと。うとうと。

僕は、うかつだった。

凄くエライ人にウトウトタイムが見つかってしまった。


厳密に言えば僕は居眠りなんてしていない。ただウトウトしていただけだ。


それなのに、それなのに、エライ人の次にエライ人。そしてその次にエライ人にまで居眠りまがいのウトウトタイムを報告された。


僕は、イエローカードを出された。レッドカードじゃなくて良かった。

けれど、ウトウトすることなんて誰にでもあるよね?


それがたまたまバレることってチョコボールの銀のエンゼルが出ることくらい珍しいと思う。

今日はどうやらブラック、というか、ドドメ色のエンゼルが出たらしい。


なんというか、間が悪い、ということはあると思う。5分前にウトウトタイムから脱出していたらバレなかったかもしれない。


けれどウトウトしていたのは事実です。


ゴメンなさい。でも反省はしてません。ウソです、半世紀後くらいには反省するように成長します。





こんな日は、こんな日は、チョコボールを、買ったら金のエンゼルが出てもいいんじゃないかな。金のエンゼルくらい出ないと、ブラックだかドドメ色のエンゼルが出たのにトータルでの今日のツキのバランス良くないや。

帰り道。

けれど、金のエンゼルは出なかった。そんなコンビニの前で。


僕は、声をかけられた。

『この辺りではハンバーガーは食べましたカ?』


なんだか、凄く太った人だ。と思った。まず、イントネーションが独特で、少しだけ笑ってしまった。

僕は、『ハンバーガーですか?僕はハンバーガーは食べてないですけれど、チョコレートなら食べてます。』と言いクジの外れたチョコレートの入った箱を、シャカシャカ振って見せた。

すると、太りめな人は、『とつても美味しいそうなチヨコレートですね。僕はハンバーガーが食べたいんですカラ』とふくよかなお腹を撫でながら答えた。


僕は、ああ、この人はハンバーガーが食べられる店を探しているんじゃないかなと思った。

僕は良く道を聞かれる。けれど道を説明するのは実はあんまり得意じゃない。すごく方向音痴だし、道の目印になるような物などを覚えたりするほうではないからだ。

たぶん、この人に道の説明をしたところで目的地に到着できるかどうか分からない。それ以前にこの人、ジャパニーズは殆んどドントノウに近いんじゃないかなと思った。


『come with me』

僕はジャパニーズ英語で太った外人さんを道案内してあげることにした。


だいたい5分くらいかな、色々会話を交わしながら歩いた。

名前はジェームスといって日本に来てからまだ1週間らしい。

僕は人見知りな方だけど初めて話す初対面の人でも何故か会話するのは得意なほうである。


『着きました。ここですよ』僕はMの文字をしたハンバーガー屋を指差した。


すると、『ありがとうごさいます。とつても嬉しいですしハンバーガーを一緒に食べられますヨネ』とニコニコしながら誘われた。どうやら奢ってくれるみたいだ。


なんだか道を紹介するだけで少し疲れてしまったが、せっかく誘ってくれたし、なんだか面白い人なのでごちそうして貰うことにした。



ジェームスさんは、ちゃんと注文できるのだろうか?

僕はそっと見守ることにした。

すると『ハンバーガー、、、』と言い、片手をパーにして店員さんに見せた。


5つのハンバーガーを僕は1つ頂き、のこりはジェームスが瞬く間にペロリと平らげた。

なんだか時間にしたらすぐのような気がしたけれど仲良くなった。


そして連絡先を交換した。

僕は、今日は金曜日だったことを思いだした。

ジェームスはこっちの友達がまだそんなにいないようだ。

もしかしたら明日か明後日、連絡したら遊ぶことになるかもしれない。


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