日本は山がちな地形なので、急勾配な坂も珍しくないでしょうが、では(登山道等を除くとしても)その中で一番急な坂は、どの位の勾配なのか、そしてどこにあるのか、気になるかも知れません。
そして、そのような急な坂と言うと、恐らくは険しい山道にあると考えられるかも知れません。
その考えは、半分正解です。日本一の急な坂は、同じ勾配で二か所にあり、一つは大阪府と奈良県との県境の暗峠と言う峠にあるそうです。
しかしながら、もう一つは、東京都郊外の多摩湖と言う美しい湖がある、一見のどかな場所の近くの東大和市湖畔と言うところにあります。因みに、この多摩湖も、日本一美しい湖と言われることもあるようで、実際に、湖上には、大正時代に建てられた洋式の取水塔があり実に絵になる景色です。
多摩湖の対岸には、UFOのような西武ドームがあり、その背景には秩父連山が見えます。
そして、湖の周方向に沿って「トトロの森」と称される林があり、西武ドームと反対側には西武園遊園地があります。
堤防の下には公園が広がり、木々の陰から西武多摩湖線を見ることができます。
さて、上述した急坂には、多摩湖周遊自転車道路を通って向かうことができます。
道路沿いには、不定期で営業していると思われる昭和チックな食事処があります。この食事処の近くには、1985年に造られた彫刻があります。
さらに進んだ上で、まず目的の急坂の近辺の坂を見てみましょう。この地域は、急傾斜の坂が多い場所なのです。
この坂は、当初は、割となだらかな傾斜であり、両側には小綺麗な住宅が並んでいます。
しかし、最後の部分が急角度になっています。この立ち位置と坂の下にある家の高低差を見れば、いかに一気に下ることになるか想像に難くないと思います。
急角度の部分には、転倒を防ぐためか階段が設置されています。
この坂は、勾配を示す標識が設けられていたようなのですが、現在は撤去されています。その以前にあった標識によると、28%の勾配率だそうです。
10%程度でも、自転車で上るとなると結構きついのに、28%となると、如何に急かがお分かりでしょう。
この坂の下から坂を撮った写真からも、いかに天辺が上方にあるか分かると思います。
ただし、この坂は、自動車でも上ることができますし、日本一の急坂ではありません。
その坂は、自転車道路を、さらに100mほど進んだ所にあります。
いきなり、自動車が通り抜けできないことを示す標識があり、戦慄を覚えます(笑)。
こちらの坂は、先程の坂よりは古そうな住宅が多い感があります。
そして、勾配率を示す標識がありました!37%!!
坂の下の家と坂との高低差は、先程の坂よりも凄まじいです。
最後の一番急な部分は、40%ぐらいあるように感じます。もちろん、この坂にも転倒防止用の階段があります。
この坂にある車止めの傾きをご覧ください。笑うしかないぐらいに傾いています。
坂の下から坂を見ると、角度が急すぎて天辺が見えません。
因みに、この坂は、現在では安全上の観点から自動車は上ることはできませんが、かつては上ることができました。
しかも、下の道に下りると、その道の両脇には側溝がありました。なお、この坂があまりに急なため、犬が途中で立ち往生して震えていたこともありました。
この坂を天辺まで上って行くと、「坂の上の雲」と言うドラマを思い出してしまいます。
一度あのドラマに出演していたロシアの女優さんマリーナ アレクサンドローヴァにお目にかかってみたいものです(笑)。
と、オチがついたところで、紹介を終わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。