論者の見識を疑う | ラヴログ

論者の見識を疑う

【送料無料】雇用大崩壊

【送料無料】雇用大崩壊
価格:693円(税込、送料別)


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
戦後最悪の経済不況の嵐が世界を吹き荒れるなか、対応が後手に回る日本。もはや金融崩壊どころではない。雇用の大崩壊が目前に迫っている。失業率が10%を超えると、いったい日本はどうなってしまうのか。働く人々の不安と希望の喪失という現状を描き出し、解消の道を探る緊急提言の書。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「二段階不況」の日本/第2章 経済の現状に対する、五つの誤解を解く/第3章 漂流する若者時代/第4章 正社員の憂鬱/第5章 今こそ金融・財政政策の総動員を/第6章 雇用回復への処方箋

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
田中秀臣(タナカヒデトミ)
1961年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、上武大学ビジネス学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


読みました。

2003年から2006年末までの景気回復の中で、輸出企業中心に企業収益だけが改善されて名目賃金は伸びませんでした。
2003年から2006年末までの景気回復というのは、回復基調にあったというだけで低成長でした。
需用ギャップが埋まったとされているのも最後の2006~7年くらいでした。
企業収益が改善され、さらに人々の所得水準も上がるまでの景気回復ではなかったということもいえます。

よくいわれる雇用流動性を高めることが必要とか、雇用の平等をという主張も一理あるとはいえ景気回復がなければ、ゼロサムゲームになってしまうだけです。

終身雇用は幻想にすぎなくても、雇用関係におけるリストラや非正規社員の増加は、モラルや忠誠心を低下させます。
社会資本としての、職場の信頼という目に見ない生産性をも失いかねません。

グローバル化が格差を拡大させた。と、岩田氏の「景気ってなんだろう」の内容を紹介して可能性としてあるとしています。
先日読んだ「不謹慎な経済学」ではそのような論者の見識を疑うと書いていたのにどういうことでしょうか。
岩田氏は「景気ってなんだろう」のP100以降、ミクロ視点でグローバル化が産業空洞化を起こし、格差や賃金の上昇しない理由として書いています。
両者の見識を疑います。




田中氏は、この不況に消費増税が出てくるのは、政治的に投票権の数の力を持つ高齢者の利益にかなうから、と結論しています。
今の年金は物価スライド制で、消費増税もその対象だそうです。
つまり増税の影響を受けないともいえます。デフレも資産が実質増えるので好ましいとなります。