円高の正体?
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
日本経済を蝕む円高が止まらないのはなぜか?為替介入はなぜ効かないのか?為替を動かしているのは何か?日銀総裁は何を考えているのか?河上肇賞受賞のエコノミストが真相をやさしく解説。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 為替とは何か?/第2章 円高・円安とは何か?/第3章 「良い円高」論のウソ/第4章 為替レートはどのように動くのか?/第5章 為替レートは何が動かすのか?/第6章 円高の正体、そしてデフレの“真の”正体
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
安達誠司(アダチセイジ)
1965年生まれ。東京大学経済学部卒業。大和総研経済調査部、富士投信投資顧問、クレディスイスファーストボストン証券会社経済調査部等を経て、ドイツ証券会社経済調査部シニアエコノミスト。著書に『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社、2004年。日経・経済図書文化賞受賞)、『脱デフレの歴史分析「政策レジーム」転換でたどる近代日本』(藤原書店、2006年。河上肇賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
読みました。
こちらも参考になります。
円高が好きな人たちの「正体」とは? ―― 安達誠司(『円高の正体』)× 飯田泰之
http://synodos.livedoor.biz/archives/1901440.html
この本を印象付けるこのグラフ。
P53

(前略)
図表1は、円高によって、国民全体の収入が減り、日本の景気が悪化していることを示しているものに他なりません。
といいますが、このグラフはやや恣意的で、左右の縦軸の数値を重なるように調整しています。

長期推移で作成すると、もう円高でGDPが減少するということがいえなくなります。
P107
円高は貿易収支の赤字化を推進します。事実、日本の貿易黒字は、円高の進展とともに減少の一途をたどっているのです。
この表現は輸出が増えて、輸入が減ることが望ましいという重商主義的ではないでしょうか。
更に、円高が貿易収支の赤字化ということも間違えています。
2010年と2011年は、円高では過去最高のレベルですが、2005年以上に回復しています。

円高でも貿易(額)は増加しています。
これは世界的な不況が輸出を減らし、またその回復傾向から輸出が増えるという所得要因によるものです。円高の価格要因だけが貿易を決定するのではありません。
最近の貿易黒字の減少は、輸出が増加して黒字を増やす方向でしたが、原油価格の高騰や、原発停止に伴う燃料の輸入増加による赤字などがその要因でした。
確かに、円高は産業全体では、景気や企業収益にマイナスの影響があるのはその通りで、経常収支にもマイナス要因です。
私自身もリフレ派なので全体的な内容には同意しています。
円高の正体というのも、デフレの正体の反論もあることから、意図的なものだと思われます。
ですが、前半の主張が少し恣意的で、重商主義的だと感じたのでこのような感想になりました。