貿易のススメ
【送料無料】貿易の知識第2版 |
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
貿易とは国と国との間で行われる財貨・サービスの取引を指します。外国の財貨やサービスを購入することを「輸入」、逆に外国に財貨やサービスを販売するのが「輸出」です。それでは、輸出・輸入はどのようにして決まり、経済にどんな影響を及ぼすのでしょうか?そのしくみをていねいに解説します。日本は海外との貿易によって、多くの利益を得ています。貿易の実態を理解することは、日本経済の現状を正しく認識することにつながります。WHO、FTA、アジア諸国との経済関係など、最新の貿易トピックスもカバーした改訂版です。
【目次】(「BOOK」データベースより)
1 貿易とはなにか/2 貿易と経済・社会/3 貿易と国際収支・為替レート/4 貿易をめぐる国際的枠組み/5 日本経済と貿易の歩み/6 貿易をめぐる新しい動き
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
小峰隆夫(コミネタカオ)
1947年埼玉県生まれ。1969年東京大学経済学部卒。同年経済企画庁入庁、経済企画庁長官秘書官、日本経済研究センター主任研究員、経済企画庁調整局国際経済第一課長、調査局内国調査第一課長、国土庁審議官、経済企画庁審議官、経済研究所長、物価局長、調査局長などを経て現在、法政大学社会学部大学院政策科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
最初にひとりごとです。
貿易理論が、他国の製品と自国の製品が質的、価格的に同じにと考えるというのは違います。
産業内貿易といって、製品差別化により消費者の好みに応じた多種多様な製品の貿易は、日本車と輸入車など現実に起きていることです。
安いものが買えるだけでなく、多様なものが買えるというのも貿易のメリットでしょう。
TPPは、少なくても貿易を推進する障壁を低くします。
しかも、市場原理は国家の介入を否定していません。
規制があるから緩和されるのです。何が何でも自由ということが自由市場ではありません。
勝手に誰かを嫌うのはかまいませんが、私も経済学を理解しようとせずに批判したり、皮肉たっぷりな記事を書くような方は好きではありません。
逆に経済学を使い、相手を無知呼ばわりする方も好きではありません。しかしながら、少し勉強するとそのようになっている自分にも気が付きます。
そこは大いに反省するところです。
読みました。
TPPなど貿易に興味のあるかたにおすすめです。
P38
こうしてみると、単純に輸出が増えれば景気にプラス、輸入が増えればマイナスと考えるのは危険で、どんな状況の下で輸出入が変動しているかを見極めないと、その経済的な意味合いを正しくとらえられないということが分かります。
貿易は複雑な要因が絡み合っているので、単純に円高だから輸出減とはならない、など。
P40
石油、鉄鉱石などのエネルギー・工業原材料は、生産活動のために必要となるもので、しかも国内でほとんど生産されません。そのため、輸入総量は国内の生産活動に比例して変動し、価格の変化にあまり影響されません。
なので、円安で資源高でも輸出が好調であれば、輸入が増えても問題がないとも主張もできます。
一方で、海外でも同様に日本からの資本財は弾性値が低いと思われるので、円高の影響は受け難いだろうという主張もあるでしょう。
それだけではなく、海外の景気という所得要因や、為替レートや物価なども絡まり、単純にどちらが良いかはいえない。
P54
結局のところ、変動制の下では貿易の流れと国際的な資金の流れは、お互いに因となり果となりながら、同時に決定されているのです。
見逃しがちで重要なのが、経常収支の黒字は資本収支の赤字という関係。
これは日本の黒字が、海外投資に向かうということではありません。
日本からの資本流出でそれが円安をもたらし(外貨需要増)黒字になる、ということもあるからです。
現在、消費税について考えているので、多少強引な理屈かもしれませんが、経常収支とISバランスから消費税のメリットを述べます。
将来的には、高齢化の貯蓄の取り崩しによる貯蓄不足により、経常収支は縮小、赤字になるといわれています。
所得税は貯蓄の誘因を減らすので、消費税のほうが貯蓄に有利かもしれません。(そうはいっても、貯蓄世代より取り崩し世代の増加による貯蓄率の低下なので効果は期待できない?)
また消費税なら、その貯蓄を取り崩す高齢者や資産家などからも税を徴収できます。
日本の経済は低成長です。
生産性の向上は難題ですが、0よりは高い成長がまだ可能と思われます。
それにはデフレ期待の払拭が必要でインフレ目標の効果に期待できます。
ですがその効果は、現在のアメリカの目標が実質低インフレの引き締めだからにすぎない、という指摘もされます。
しかし、だからといって何もしないのでは、その差が広がるばかりです。
そのインフレ目標で円安になれば、輸出企業には有利に働くでしょう。
海外需要増となる海外の景気要因もありますが、それが持続できたなら国内需要や投資も増加による好景気を実現して生活向上、リーマンショック以前の税収増により実現しかけた基礎的財政収支改善につながればという考えです。