国債経済学オススメ本
【送料無料】日本経済・国際経済の常識と誤解 |
小峰 隆夫(こみね・たかお)
法政大学大学院政策創造研究科教授。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。著書に『日本経済の構造変動』、『超長期予測 老いるアジア』『女性が変える日本経済』、『最新日本経済入門(第3版)』、『データで斬る世界不況 エコノミストが挑む30問』、『政権交代の経済学』、『人口負荷社会』ほか多数。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
国際経済という分野は、「一般の人々の常識」と「エコノミストの常識」が大きく食い違っている。そこで本書では、日本経済の現状を踏まえながら、エコノミストの常識に照らして、一般に流布している常識を再点検する。本書は「日本経済論」でもあり「国際経済論」でもある。
【目次】(「BOOK」データベースより)
序章 国際経済をめぐる理解と誤解/第1章 円レートの変動メカニズム/第2章 円レートの変動が日本経済に及ぼす影響/第3章 内外価格差・高コスト構造問題をどう考えるか/第4章 日本経済の空洞化をどう考えるか/第5章 金融の空洞化と規制緩和/第6章 欧州の通貨問題から為替レートを考える/第7章 経常収支黒字はどんな意味を持っているのか/第8章 経常収支黒字はなぜ問題か
読みました。
激しくおすすめします!!
小峰隆夫氏の経済論は、こちらでも読めます。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110214/218425/?rt=nocnt
日経ビジネスオンラインより
この本はやはり僕の好きな、経済における一般常識を覆すようなスタイルとなっております。
ただ、これまで読んできたそれらに比べて少し違うのは、こういう反論も成り立つとか、誤解や間違いについても見方を変えれば全てが間違いではない、自分としてはこういう風に考える、という内容で鵜呑みしやすい僕にとっては目から鱗でした。
印象に残ったのは、
P34の「円高と輸出価格との因果関係」
円高(購買力平価説)が先か、輸出企業の生産性向上が先かの答えがあり、企業の円高と合理化の無限循環の現実に対する意見です。
また貿易についての議論で意見が噛み合わない原因に、長期や短期などその見方によって違うということの認識が不足していることを気がつかされました。
P64の円高が「国内生産に及ぼす影響」では、所得要因と価格要因による影響の違いが解説されています。
単純に円高がプラス要因、マイナス要因とはならず、そのときの状況・・・
P72
以上のように、円高の影響は多岐にわたっており、しかも部門間、時間の経過、そのときの経済環境のよって現れ方が異なる。円高の経済状況を「プラスかマイナスか」「良いか悪いか」と単純に割り切ることはできないのである。
これ以外にも日本経済の空洞化の議論の疑問の解説(ミクロとマクロの違い)。
経常収支の誤解。
よくある資源がないから輸出が必要という誤解。
黒字の誤解、黒字はどこへいったのかが詳細に解説され勉強になりました。
更に、TPP反対論の方に読んでもらいたいのが(賛成論の反論に役立つ?)、失業の輸出論が成立するためのハードル。
政治的な配慮の問題点・・・などなど。
大変勉強になりました。
思わず他にも小峰隆夫氏の本4冊買いました!!
ふと本棚を見ると、日本経済入門が小峰隆夫氏のものでした。計5冊。
まだ読んでない・・・。