人口減少でデフレ論の矛盾点
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
人口減少こそが豊かさの源であることは歴史が証明している。根拠なき「日本衰亡論」の迷妄を断ち繁栄へのニューパラダイムを示す“新しい経済学”。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 人口減少社会では、一人ひとりがもっと大事にされる/第2章 人口減少で生産性が上昇し、日本経済は発展する/第3章 働きたい女性・高齢者の参加で、日本経済は一層発展する/第4章 介護の充実・医療の効率化が豊かな高齢社会をもたらす/第5章 年金改革で高齢社会のコストを下げる/第6章 人口減少社会の到来で高齢者の生活はどうなる
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
原田泰(ハラダユタカ)
1950年生まれ。東京大学卒業。経済企画庁国民生活調査課長、海外調査課長などをへて、現在、財務省財務総合政策研究所次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
読みました。
11年前の本である「人口減少の経済学」を読めば、簡単に人口減少のデフレ論に反論できます。
人的リストラによる(ここでは雇用削減での)労働生産性の向上が、マクロでは失業者を増やすという指摘があります。
ですが、人口減少が需用を減少させるなら、労働者も減るのだから釣りあうか、生産性向上はむしろ必須でしょう。
原田氏は年金カットが高齢化社会に必要とします。
年金は、物価スライドがインフレ時には適用されるのに、デフレ時にはなかなか採用されませんでした。
そのせいで、消費税も実質関係なくなっていました。
人口減少は、住環境や交通渋滞の改善で、生活を豊かにしてくれる。
仮に、労働不足になっても、若者は就職難で、女性の労働力も税制等で抑制されていますし、高齢者の労働力も規制が緩和されたら、どちらも更なる労働力が期待できます。
印象的だったのは、公共工事についてのこの部分。
P235
地価が下がるのに、なぜ高い費用で農地を造成し、土地を災害から護り、個室の狭い老人ホームを建てなければならないのだろうか。河川の流域を自然に戻して氾濫原とすれば、公共事業コストを削減できる。
人口減少社会を克服するために、コスト高の手段を講じてはならない。保育所の運営コストは引下げるべきであり、児童手当は穏当なものに改めるべきだ。
楽観的なものばかり取り上げましたが、もちろん前提として様々な諸制度が改善されなければうまくいかないでしょう。
印象論ですが、スーパーに買い物に行ったときに、こちらが計算機片手に予算を決めカゴに商品を入れている横で、値段も見ずに商品をカゴいっぱいに入れているご高齢の方々を見たり、自分の周囲の大人が、家を建てる、子供が進学するのに、ご両親から何百万も出してもらうといった話を聞くと、「なんだかな~」という気持ちになります。うらやましいとは思います、はい。