自説のための結論しか出てこない
【送料無料】日本の「大停滞」が終わる日 |
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
30年代のアメリカの「大恐慌」に比すべき90年代以降の日本の「大停滞」。この異常事態はなぜ起こったのか、そこから脱却するすべは何かを明らかにする快著。
【目次】(「BOOK」データベースより)
「大停滞」の解明には何を説明しなければならないか/バブルの大きさはバブル崩壊後の停滞の大きさを説明できるか/ITバブル崩壊後のアメリカの不況は日本のように長期化しない/メガコンペティションは日本経済を停滞させたか/アメリカIT革命の限界/財政政策か、金融政策か/公共投資の乗数は継続的に低下したのか/実質賃金の上昇と金融政策/銀行はどれだけ重要か/日本の構造的失業率は上昇していない/日本の世界史的な超低金利はなぜ生じたのか/デフレ対策としての金融政策の有効性/なぜデフレーションが続いているのか/マクロ経済学の五つの法則
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
原田泰(ハラダユタカ)
1950年生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業。経済企画庁国民生活調査課長、海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て、現在、内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
を読みました。
おすすめです。
P257
第14章 マクロ経済学の五つの法則
1 フィリップス・カーブは長期的には垂直だが、とくに物価上昇率が低くなった段階では、かなり長い期間にわたって緩やかな右下がりである。
2 オーカン法則は重要な経験法則であり、その係数はかなり安定している。
3 長期的にはマネーサプライは物価を決定する。
4 物価が上がれば長期的には名目金利を上昇させる。
5 マネーサプライの増大は短期的には名目金利を低下させるが、長期的には名目金利を上昇させる。
中略
「日本の『大停滞』は金融政策の失敗によってもたらされた」
について説明されています。
印象に残ったのは・・・
P208
九〇年代以降の大停滞を脱却するために必要なのは、宗教改革の精神であると私は考えている。
中略
経済学の教科書には、これまでに提示された最良の理論のうち、実証分析の試練に耐えたものが書かれている。
それを信じなくて、なぜ経済学を教えることができるだろうか。
経済学をしろうとせず、経済学を否定すれば、自説のための結論しか出てこないのは当然である。
都合の悪い事実も、他要因にすり替えてしまうだろう。