やっとわかった気がします
■TPPは厳しい選択ながらも参加は不可避
飯田泰之氏
番組ではTPP問題についても語られ、飯田氏はTPPに関する心配論は、"悲観論"でずるく、大変なことになれば「それ見たことか」、やりすごせたら「注意したおかげ」という絶対に間違えない論法と話す。その一方、ポジティブつまり賛成論も、必ずしも「バラ色」ではなく、あくまでもTPPは「共通ルールへの参加」が主眼であり、日本が独自の道を行く経済力を持ち得ない以上、不参加という選択は事実上経済圏から排除されることと等しくなるため、非常に厳しい選択ながらも参加は不可避であると強調する。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw150901/2
飯田氏が言いたいのは、反対派が間違えない議論、負けない議論がしたい、ではなくそれがずるいという指摘でしょう。
また経済学者も間違えない議論がしたいのではなく、自由貿易の推進からの賛成かと。それ以上は価値観の違いですから、それこそ千差万別です。
いったい経済学者に何を期待するのでしょうか。学問が解決しない(限界がある)というのはどれも同じなのに、経済学者だけに何を求めているのでしょう。
完全な答えでしょうか。
エコノミストのように独学で好きなように考えて予想でも何でもしていればいいでしょう。
ですが、自ら経済学を学ぶことをしなければ何も得られないでしょう。
TPP反対派がなぜ反対するのかがわかった気がします。
議論がどうとか難しい話ではなく、結局は反グローバリゼーションなのですね。
反グローバリゼーション(英: Anti-globalization)は、地球規模での貿易促進およびWTOなどの国際機関の活動などへの反対を訴える人々の政治的スタンスをさす。または、反グローバリズム(anti-globalism)という。
ウィキより
TPP反対トリオと称される(中野氏・東谷氏・三橋氏)の保守的な面々を見れば、気がつかないほうが不思議でした。
保守(ほしゅ、英: conservative)、あるいは保守主義(ほしゅしゅぎ、ラテン語: conservare、英: conservatism)とは、古くからの習慣・制度・考え方などを尊重し、急激な改革に反対すること[1]。対義語は革新若しくは進歩主義。
ウィキより
賛成派が自由貿易を訴え、反対派は反グローバリゼーションを唱える。
これじゃ、TPPのデメリットの根拠に反論しても、根底に反グローバリゼーションがあるのだから、頑迷にしてその主張を譲らないのも理解できます。
もちろん、実際にはこんな単純な対立ではないでしょうけれども、彼らの主張が、日本が変わってしまうという理由から突き詰めていけばそういうことになります。
確かにその気持ちはわかります。
過去に、自分の勤め先が中国の製品とコスト競争で負けて、一番の稼ぎ頭だった部門の撤退を余儀なくされ、あわや倒産の憂き目に遭ったからです。
しかも現在でも、その脅威に晒され続け、実際に仕事の減少(取引先メーカーの中国シフトによる、現地調達など)が起きています。
つまり、グローバリゼーションの真っ只中に以前から、そして今現在も置かれているのです。
その結果何が起こるかというと、取引先大手メーカーでも工場自体の縮小が起きるのです。
当然人的なリストラが行われます。
それでも間に合わないと、下請けに出している仕事を内製化します。
つまり、下請け工場でまた仕事が減少することになるのです。
不安じゃないと言ったらウソになります。
これまでは正直に言うと他人事でした。ですが、年を重ね最悪リストラ対象になってもおかしくはありません。
だけど、会社も必死です。
もちろん社員だって必死です。
営業の方と話をしていたら、他社と同じような製品を作っていたら仕事は取れない。
技術との連携で、他社が断るような難しい仕事をモノにしなければと。
そして、実際にそれを実行していて、その試作を担当させてもらったのですが、なるほどウチの技術にこんなノウハウがあったのかと変な感心をしてしまいました。
だからといって、この先その仕事だけで会社を支えられるほどでもないのですが、以前メインの部門の撤退を経験してもしぶとく生き抜いています。
もちろん明日はわかりませんが。
では、このような会社を変化から守り、競争から保護すれば問題が解決するのかというと、それは違うでしょう。
なぜかといえば、競争があったからこそ何とか生き残ろうとあがきもすれば、努力もするし、またそれが現在の安価で便利な技術の恩恵に繋がっていると考えるからです。
少し結論が飛躍しているかと思いますが、極端に言えば、社会主義と資本主義の対立を思い浮かべかてもらえたら、言いたい事が理解してもらえるかもしれません。
むしろ必要なのは転職までに必要なセーフティーネットだと考えます。
なぜなら、静岡で海外シフトが言われている産業といえばオートバイ、楽器、プラモデルなどがあります。
衰退の著しいとされる農業はお茶、みかん、イチゴ、メロンなど。
また観光地としても厳しい状況です。
ですが、県民総生産はそれほど減少してはいません。
http://www.keizai-bank.com/todofuken/022.html
GDPではわからないという批判もあるかもしれませんが、仕事量として捉えてください。
モナド日記さまの飯田氏の「脱貧困」の孫引きです
「なぜこんなに貧富の差が広がったんですか」と問われたら、僕はいつも「金持ちを減税して貧乏人に増税しているんだから当たり前です」と言います。なんだかね。
http://triceratops.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-cefc.html
つまり上記のような熾烈な国際競争に晒されているにもかかわらず、空洞化は起きていないということです。
どこかにそれを補うような仕事があるということです。
それまでの再就職までのセーフティーネットが必要ということです。
実際にTPPが締結されても変化は少ないように予想しますが、仮に保護政策的な社会主義にあったような計画経済が上手く行かなそうだ、というのは説明を省きますが、理解できると思います。
ただでさえ、TPPが無くてもこれだけの競争に晒されているのが現実なのは間違いがありません。
世界にはまだ、日本のように経済的な豊かさを望んでも享受できていない国もあるでしょう。
しかしながら、資源は有限ときています。
それを効率的に使うのにも、グローバリゼーションは必要でしょうし、資源がどこまであるのかもわかりませんが、日本だけがよければいいとも言えません。
というわけで、本当は失業や転職など遠慮したいです。
なので、そういう気持ちからのTPPに反対(=反グローバリゼーション)の気持ちは理解できます。
ですが、上記の理由から自分は変化を受け入れざるを得ないというのが偽らざる気持ちです。