コメントの補足4 | ラヴログ

コメントの補足4

取り崩すことは可能か不可能か?
ミクロでは可能でしょう。

取り崩すということは、ストックからのように見えて、誰かがその年に稼いだフローからしか受け取ることが出来ません。

それを取り崩せない訳じゃないというのなら、その通りでしょう。
ですが、いったいどこからそのお金を稼いでくるのですか?
借りるとしても、債務返済のために簡単に貸す所が見つかるでしょうか?

ミクロとマクロを混同しています。

ストック→フローは原理的に出来ないというのはそういうことです。


預金を取り崩しても消費増にならない。


の説明を試みます。

GDPの三面等価で分配面は

GDP=(所得)給与

でもあります。

個人でも、GDPの分配と同じように同じようにお金は使われていますよね。

消費、納税、貯蓄

つまり、GDPが増えないということはゼロサムゲーム、誰かが多く消費したとしたらその分他の誰かは消費が少なくなります。
こういう風にも言えます。誰かが所得を増やしたら、誰かの所得が少なくなります。
なので、消費増にはなりません。

ですから


家計が貯蓄を取り崩すことによって生まれた消費拡大は、企業側の生産能力を超えた時点で企業の自発的な投資拡大を生み出します。


という状況にもなり得ません。

ついでに言うと、現状の銀行経営は投資先がなくて困り果て、国債を買ってしのいでいる状況です。まず家計が取り崩され始めると、企業側からの貸しはがしよりも先に利率の低い国債を取り崩し始めるでしょう。

つまり、国債利率の上昇という形で社会への影響が現れます。




国債を取り崩すことがどういうことかというと、金融機関が売ります。
売りが多いので金利は上昇します。
金融機関は受けとる予定の額面以下で売ることになり、大損害でしょう。

資産がだだ減り。

さて、その状況で何が起こるかというと、自己資本比率低下による貸し剥がしでしょう。

家計の取り崩しが起こっていけば、赤字国債発行額の減額という社会的朗報として報道されるでしょうし(その際には家計貯蓄が減少し始めた! 破綻の危機だ!って報道になると予想はされますが)。

何よりも貯蓄の90%を65歳以上が占めている現状の貯蓄が取り崩され、雇用の対価として労働者層……つまりが若者へと財が流れるのは歓迎すべきだと思うのです。



なので、こんなことは起こりません。
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