夢の中では知らない人も旧知の仲にもなる。
見たこともない人が家族にもなる。
これはパラレルワールドで起こっていることなのか前世や来世のことなのか。
場面転換の速さや時空を超えた荒唐無稽な展開は映画の比ではないだろう。
観客は自分、主演も自分。
夢の中の自分は現実の自分を夢で見たりするのだろうか?
片岡義男なら夢をどんな風に描写するんだろう?
6月9日ロックの日に見た夢
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男3人でバーに入る。
その前に3人で何かしていたが思い出せない。
バーは長い赤いカウンターの前に背の高い椅子が並んでいて、カウンターの中にはバーテンダーがカウンターの外にはギャルソンが何人もいる。バーテンダーもギャルソンもきちんと制服を着ている。
カウンターには淡いベージュの制服を着た兵隊が沢山いる。
中程にはさらに淡い白に近いようなベージュの制服を着た女性兵士たちがいて、その中に白い衣装を着たバレエの踊り子たちが数人いる。衣装を着た踊り子たちは少女のようだ。
女性兵士に囲まれて座る踊り子たちは花のようだ。
2人はとても仲がよく1人がもう1人の分を注文して金を払っている。
高級そうな店構えだが割とカジュアルなバーのようで男が頼んだのはチューハイだった。
チューハイは氷の入ったビールのジョッキに入って出てきた。氷の上にレモンが乗せてある。
メニューを見るとチューハイとは書いておらず”winter of ….” みたいな横文字の名前になっている。
メニューをひと通り見て結局生ビールをオーダーする。
そして店内の隣の部屋に入る。
隣の部屋は学校の廊下のような広めの通路とお寺の御堂のようなさらに広いふたつの通路で出来ている。ふたつの通路の間には、廊下があるような感じもするが特に何もない。
学校の廊下のような場所で先程までヨガクラスをしていた。ぼくはマットを横に敷き生徒たちは縦に並べて敷いていた。たくさんマットがあったが特に狭いとは感じなかった。
ふたつの通路は並行して奥の方までかなり長く続いている。
生ビールがまだ来ていないのを思い出し、ここにいるのがわからないのかも知れないと思いバーに戻る。バー空いているがカウンターの中には誰もいない。
「生ビールは出来ましたか」と訊くとギャルソンは「全然出来まっシェーン」とおどけて言う。「まったく無責任なバーデンたちで…」と諦め顔で笑っている。
バーテンダーたちは揃って帰ったか休憩しているようだ。ギャルソンたちはカウンターの中には入らないので飲み物は全てストップしている。
特に生ビールが欲しかったわけでもないので長い通路の部屋に戻る。
お寺の御堂のような広い通路には所々にカーペットが敷いてある。
女性がそのカーペットをチェックしている。
ライターで火をつけて「あー、やっぱりコットンだわ」と確かめると「クラスで使えるかなぁ」と独り言みたいにぼくに問いかける。
その女性に見覚えはないがヨガ仲間で昔同じクラスに出たことがあると察して気さくに会話する。
さらに向こうには別のカーペットがあってそれもチェックする。分厚い透明なビニールを挟んで上下に2センチほどの厚手の生地が着いている。ビニールは生地より四方が50センチほど広い。下になっている面には少し泥がついている。
「きっと外ヨガの時に使ったんだよ」と女性に言う。
どうやって使ったのかよくわからないがそう言ってしまう。
彼女は生地をチェックする。どうやらこれは化学繊維で出来ているようだ。
さらに向こうへ歩くと道路になっていて車の往来も多い。雪が降った固まったようで深い轍がついている。左からこちらに向かってほぼ直角のコーナーを向こうからばんばん車が走ってくる。ビニール傘がこちらに向かって飛んでくる。
ヘッドライトに照らされて金色に光りクルクル回転しながらゆっくりと飛んでくるビニール傘。
車が傘にぶつかりそうになって間一髪避けるとビニール傘が透けて見え男性が傘をさして道路を横断している。
こちらから向こうにもかなりの交通量で車が流れている。右側通行のようだ。一台のシルバーグレーの乗用車が前の車を追い抜きコーナーに突っ込んでいく。コーナーは車が詰まっていてその車は前の車にぶつかりそうになり思わず「あーー!」と声を上げるが事故にはならずコーナーはちょっとした渋滞になる。
街頭に照らされた歩道に2人が歩いている。
傘と逆行の街頭に影しか見えないが男性と女性のようだ。
2人は何か揉めている。男の方が女性に暴力を振おうとしているのではなく、男は何かすがっているようで女性は逃げるようにしている。
ふたつの黒い傘、膝下までのコート、女性のふくらはぎと靴のシルエット。
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