ため息が絡まってここは春の腐敗臭
わたしの行方が抜け殻だと想像して
なんとなく用件を書いたメモをくしゃくしゃにする
会いたいだけでは足りないから
なけなしの自分を数えて
やっぱり行き止まり
生きいても死んでいてもだ


トイレに入って顔を洗う
掬った水は見え透いた無色の揺らぎ
滴る顔から何か落ちたためしはない
けど、いつも何かが落ちていく気はしている


ひとりぼっちでもラブソングは歌える
冷たさも温もりも感じないまますり減らして
よくわからないなけなしの自分を用意する
これから産み落とすとして、それはなんだろう
意味なんてなくても良かったのに、それはなんだっていうのだろう
ため息が絡まる、ここは春の腐敗臭