まるで忠犬ハチ公のように、3年以上通う主治医の診察室で、ずっと馬鹿正直者を演じてきたオイラの化けの皮が、今日、剥がれてしまった。



オイラは、もう終わった、と途方に暮れた。

信頼、信用は、ブロック積みのように、何年掛かってお互いが努力しながら相手方と築くもの。

ただ、瓦解する時は、一瞬だ。

先生、また、、裏切って、ごめんなさい。


私は、犬以下です。


ああ、ハチ公に失礼だな。



オイラにとっちゃ、奇跡的にも3年以上もオイラを見放さなかった、優しい児童精神科の現場でバリバリやってきた第一人者のような神様な先生。



だけどそれどころか先生は、先生が何かしらの処分を喰らってしまうことになるであろう、お役所への事故報告書を書きながらも、



オイラを切らなかった。



怒らなかった。


オイラは、今回こそは切られた、と心中で観念していた。それしか無かった。



ただ、先生は、一言、オイラに向けて
本音を大きな声で、「3回」、言った。

「また、裏切られた気分だよ。正直言うとな。



私にも、だんだん、あなたを信用していた節があった。



だが、今回は俺のミスだから。」



オイラは、清原さんと同なじだ。

写真の本を持っているし、

100回以上は読み返した。



クスリはクスリ。

それが違法薬物か、処方薬か、ってことだけ。



オイラの場合は、かなり悪質だ。


主治医の裏で、全部で、3,4箇所から
同じ成分をダブらせて処方され、

毎日、ガブ飲みして来た。



身体は薬に対してあっという間に、耐性が出来て、効いてた筈だったのが効かなくなる。
だから、理性を無くして追い飲みする。

その悪循環でどんどん手持ちが減ってしまい、

クスリは枯渇する。その繰り返し。



処方に緩い医者に嗅覚鋭く。
戦利品のように、Get! 感覚で。

でも、オイラの小細工はぜーんぶ、健康保険証から保険者はお見通し。
オイラはシステムの中で少しの猶予期間を泳がされていただけだった。

電子カルテ化、更には、時代的に様々なアナログだった情報のビックデータ化が進んだ今では、

例えばどんな薬の処方も全部見張られていると思っていたほうがいい。Enterキー押さずともエラーが出る。

「コイツはヤバい患者だ、」と。




「いつかは捕まると思っていた」,
「捕まえてくれて良かった、」,

…テレビや雑誌で、犯人の言としてよく聞く言葉だ。



実はオイラも、手錠を掛けられる悪夢を夜中にしょっちゅう見て、うなされていたんだ。


因みにオイラは経験で言えば、オーストラリアでもアメリカでも、日本以外の世界の国では、医者は処方薬を原則、一種類しか出さない。


いわゆる、『単剤処方』だ。


『日本の医者は、こんなにもクスリを処方するのかーーー!!!』

、英訳して持参したオイラのお薬手帳を見た現地の医者の全員から驚かれてきた。




明日の朝から、ゼロの生活が当分の間は続く。

地獄の日々。

苦しくて死ぬかも知れない。


でも、、、
主治医の診察室で、

『私もいつかはクスリから解放されたいです!!』 

と、毎度のようにのたまわってきたのは誰でもなく、

このオイラだからね。



"自業自得"を地で往く、愚かな男が

ここにいる。