ずいぶん前ですが
エアアメリカ(Air America)という映画がありました。
内容は、ベトネム戦争時代。
CIA秘密のミッションで
ラオスに「エアアメリカ」という飛行機部隊(表は航空会社)を作り
ベトナムに支援物資を送っていたのですが
そのパイロット達の話。
この間、夫が飛行機免許の更新にあたった
インストラクターが
まさにこの、エア・アメリカでパイロットをしていた人でした。
(映画に出たのではなく実在の)
アメリカで作られたヒストリーチャンネルのドキュメンタリーに
若い頃インタビューされて出ていまして、その映像は今でも残っています。
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その人は正確には
物資を運んでいたいた本人ではなく
隣のラオスに
滑走路が作れる場所を上空から探し
作らせていた人。
ラオスは険しい山ばかりで
飛行機が降ろせる場所が中々なく
滑走路を作る作業は大変な事だったんだとか。
そこに物資を運ぶ飛行機を降ろす。
離陸する時に爆破されたり
物資を降ろす時にそのまま仲間が落ちてしまったり
1つ1つが壮絶なストーリーだったよう。
彼らは終戦後、口を閉じていたそうですが
ヒストリーチャンネルでドキュメンタリーを作るにあたり
話すようになったんだとか。
その後、映画「エアアメリカ」が出来
その存在も知られるようになりました。
飛行機も今のようなGPSはなくコンピューターもなく
自動操縦でもなく
自分の目と腕と地図だけが頼り。
自分の腕だけで飛ぶ、骨のあるパイロットたちばかりだったそう。
「今のようにGPSやコンピューターで守られながら飛ぶパイロットとは違う」と話すエドさん。
この時代のパイロットはもうかなりの年配者で
飛べないからインストラクターをしている人が
多いんだとか。
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夫が思い出した様に、
こんな話もしてくれました。
また、別の人ですが
「前に、同じくインストラクターで
首がまわらず体がちょっと不自由な人がいて。
昔、チャレンジャーっていう飛行機で
夜中飛んだんだって。
それが水の入った燃料を入れられてて
空の上でエンジンが2つとも止まった。
電気もつかない。真っ暗。
それがネブラスカの上空。客はなし。
エンジン止まったんだよ。どうしたと思う?」
「エンジン止まっても陸の上だったら降ろせるって
いつも言ってるじゃない。降ろしたんじゃないの?」と私。
昼間だったらね。でも夜だよ。
電気もつかないし全部真っ暗。
どうやって降ろすのよ。
でもそいつ、降ろしたんだって。
とうもろこし畑に。
「どうやって?」って聞いたら
「暗闇につっこむのさ」って。
明かりがついてるところは
人もいるだろうし何かある場所だから
そういう時は真っ暗の中に突っ込む。
それで突っ込んだ。
ガガガガー、ドドドドーって
当時を再現してくれた。
私「よく生きてたね」
だろ?
突っ込んだ時に首やられちゃって
それ以来、首がまわんなくなって。
で、今は飛べないからインストラクター。
首もまわらないし口数少ない変なオヤジって思ってたんだけど
話を聞くとね
すごい経験してて
それをボソボソ話す。
・・・どうやって?って聞くと一言、
「暗闇に突っ込むのさ」って低い声で
かっこよかったよ。
そういう人の話を聞くと
本当に為になるし勉強になるし
もっともっと聞きたいと思う。
後世に残してほしいよ。
もうだんだんそういう気骨なパイロットは
いなくなってきてるけど。
夫は今乗ってるようなハイテク自動操縦ではなく
自分の手で操縦する小さな飛行機が好きで
買おうかなといつも話すのだけれど(安いやつ!)
暗闇に突っ込むのは
遠慮したい。
夫が昔乗っていたリアジェット。
(ただの雇われ運転手です)
**追加**
暗闇に突っ込んで生還した時のもの。
夫にブログに書いた事を話すと
これを送ってくれました。
本日も読んでいただいてありがとうございます!
このブログは
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の話題を中心にお届けしています。
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