書こうか迷ったけど、今回は私の体験談をお話します。

もう何年も前のことやから言ってもいいと思うねん。

 

ある日ボルドーを友人と散歩してました。

友人は日本からボルドーに観光に来てて、私はフランスに住んで2~3年目の時。

そしたら日本人のご夫婦が「こんにちは」って話しかけてくれた。

柔らかい雰囲気のご夫婦で、ちょっと立ち話し。

 

数日後、またボルドー市内で友人がそのご夫婦と会って連絡先を交換してきた。

(私は確か学校に行ってたと思う)

友人は日本に戻るから、彼らと会うチャンスはなく、私は後に彼らとカフェで会うことになりました。

 

本当に柔らかい、優しいお二人で、フランスに来てまだ間がないのに友達が沢山いるって言ってた。

フランス語もあまり話せないけど、フランス人の友達もいっぱいいるって。

 

この時の私は毎日学校が大変で、日々辛かった。

先生の板書も読まれへんし(フランス人の筆記体は読むの難しいし、ただでさえフランス語そんなにわかってない)

そもそも授業時間めっちゃ長いし

授業わからんくても日本人が他におらんから、友達にノート借りて家に帰ったら自分のノートに書き足して、分からん単語調べて…

って、我ながら良くやってたと思う。

 

そんな中ご夫婦の持つ雰囲気にかなり安心感を持ってたのを覚えてる。

何度か会って、何度かお家にもお邪魔させてもらって。

ずっと何気ない日常の話をしてたと思う。

 

本当に良い人過ぎて、どうやったらこんな良い人になれるんやろう?とか

友達にネガティブ要素の全くない良い人に会ったよ、とか話してた。

 

「仕事なにされてるんですか?」

『翻訳の仕事してるんです。』

 

それほどフランス語が話せない人にも翻訳の仕事ってできるんやなーくらいに思ってた。

(実際、何語から何語への翻訳をしてたのかはわからん)

 

『私たちのフランス人の友達もいい人が多いから、是非今度みんなで会いましょう』

「是非!」

 

そんな会話をしたのを覚えてる。

 

何度目か忘れたけど、言われた。

『私たちが翻訳しているのは聖書なんです』

へー、聖書って今も訳すようなことがあるんや。

くらいにしか思ってなかった20代前半の私。

 

そしてその後

『私たちが訳してる聖書の説明があるのでもらってください』

って渡されたA4サイズの紙が三つ折りになったもの。

『日本語とフランス語、英語もあるから、私たちはこういうのを見てフランス語勉強してるんです』

渡されたのが、某輸血してはいけない宗教のチラシ。

簡単に戒律とかも書いてあった。

 

そして言われた。

『私たち以外にも色んな人がいて、皆いい人だから次はそこに来てください』

 

その時やっと気づいた。

彼らが「異常に」良い人だったのは信じるものがあるからなんだなぁと。

そして私は何か月もかけてゆっくりと勧誘されてたんだぁなと。

 

結局このご夫婦とはそれ以降忙しいのを理由に会ってないから、今もボルドーに居るのか、別の場所に住んでるのかは分かりません。

 

そしてその後も何回かボルドーで「こんにちは」って話しかけてくれる人に出会った。

その中の数人は同じ宗教の方だった。

 

ポストにも同じ宗教の「日本語の」チラシが入ってたことが何回もある。

これはポストの名前を見て、日本人だと特定できるから日本語を入れてるらしい。

日本人の友人もチラシが入ってたことあるって言ってた。

 

突然知らない日本人がチャイム鳴らしてきたこともある。

きっとこれも名前を見て、日本人が住んでるのが分かってたんやと思う。

 

今はココから引っ越して、暗証番号入力しないとポストのある入り口に入れないから、色んなチラシすらもポスティングされなくなりました。

余談やけど「Pas de pub SVP」とか「Pas de publicité SVP」とかを書いた紙をポストに貼ってると、チラシ投函されません。

 

日本に住んでたら知らない人に声をかけられても返事しなかったりするけど、

海外生活、友達もいない、学校も楽しくない、家族も遠い、言葉も通じない、

ってなると気軽に返事しちゃうよね。

私も街で地球の歩き方持って歩いてる人見たら声かけたくなるし、実際声かけることもあるけど。笑

それで友達になれることももちろんあると思うし、私は実際友達ができたこともあるけど、心が落ち込んでいるからってだけが理由で宗教に入るのは気を付けた方がいいよね、と思う。

信じてる人を否定するつもりはないし、心から信じるものがあるのは良いことだと思う。

でも、海外生活では心の隙間ができやすいし、その隙間に入り込まれやすいです。

楽しいことも沢山あるけど、ツライことも多いよね。

 

ボルドー、コニャック近郊に住んでいる方は是非飲みに行きましょう!

美味しいワインを飲んで、楽しい時間を過ごしましょう!