暑いです。モワッとした熱気。
あぁ、これが夏だったなぁって感じ。

エアコンをつけていても、30分もピアノを弾けば全身汗だくになり、「ひと休みしよ〜」となるため、
夏は、練習が全くはかどりません(弱い)。

主人と毎晩、あー長いバカンスが欲しい!夏は仕事なんて無理だよね?…って、ボヤいてばかりいます。





ところで
生徒さんに、日頃レッスンで一番よく言う言葉って
「ゆっくり弾いて」ではないかと思います。

今週も、立て続けに言いました。
「ゆっくり、指のおでこが鍵盤に触ってから弾くよ」
「ゆっくり、どんな音にするか考えながら弾こう」
「楽譜をよ〜く確認しながら、絶対に間違えないで弾けるくらいの、ちょ〜ゆっくりで弾いて」





小さい人はとくに、ゆっくり練習を嫌がります。
何度言っても、速く、えいっ!と弾いちゃう。

それで、何とか弾ければOKじゃん
速く弾いても、何度か繰り返せば、そのうちちゃんと弾けるようになるでしょ…って感じ?

すでに曲を聴いて知っていて、その曲の速さがすっかり頭に入ってしまっていると、さらに厄介です。
どうしてもゆっくり弾けない…という状態。

面倒なことは出来るだけやりたくない。
我慢や苦労はしたくない。
それは、誰でも同じ。人間って、元々はそういうものなんだと思います。

そこから、どれだけ変えられるか
それは、人によって違いますが
努力して変えても、油断すると元に戻るし。





では、なぜ
ゆっくりの練習が必要なのでしょうか?

楽譜には、その曲の情報が書かれています。
でも実は、必要最低限の情報しか書かれていません。

その曲を、その曲として弾くには
これら必要最低限のことは、必ず守るべきなのです。

音の高さ、音の長さだけではなく、拍子記号、強弱、アーティキュレーション(スラーやスタッカートとか)、発想記号(レガートとかドルチェとか)、もちろん、指番号も。相当な訓練を積んだ上級者なら、これらを全て、初めから完璧に守ってスラスラ弾けるけど、そうでない人は、ゆっくり弾かなければ出来ないはず。

上級者でも、まずは隅々まで丁寧にゆっくり弾いて、その曲に込められている作曲家のメッセージを十分に読み解き、楽譜に書かれていない曲想を載せてその曲に生命を吹き込み、生き生きとした音楽にするのです。それが、演奏するということなんですよね。





では、ゆっくりの練習は
どんなふうにしたらいいのか、ですが

適当に?、ただダラダラとゆっくり弾いていても、
あまり意味がありません。

その曲の、完成された立派な演奏をイメージし、それをそのまま、何倍にもゆっくりにしたように弾きます。「ゆっくりでも素敵」でなければいけません。

音と音の間を感じながら弾けるくらい
音楽の動きと、指(身体)の動きがしっかりと合うような速さで、ゆっくり丁寧に弾いて下さい。

それにより、指のコントロール力もついて、速く弾いた時にミスが減り、音も美しくなって行きます。

「ゆっくりでも素敵」でなければ、「速くて素敵」には絶対になりません。土台となるものがきちんとしていないと、その上にあるものは必ず崩れます。

「美は細部に宿る」と言われますよね。虫メガネで見ても?綺麗なのが、本当に美しいということです。
ゆっくり弾かないと、細かいところまで注意深くよく見渡して、美しく磨くことは出来ないですよね。


これらを、このまま小さい人に話したって
その時は、よく理解も出来ないし、「はいはい、分かりました」…で終わってしまうかもしれません。

まだ、自分からそれに積極的に取り組むことは
普通は、難しいと思います。
言われた時だけ、嫌々やるだけかもしれません。

でも、頭の中には必ず、残ります。
成長し、自分を自分の力で磨くことが出来るようになっていく過程で、自然に、身に付けて行けるといいなと思って、レッスンしています。





せっかちで、フライングスタート?の多い人
コツコツ、じっくりが苦手で、早く結果を求めてすっきりしたい…みたいな人、多いですよね。

ゆっくり練習は、子供にはまだ、もちろん非常に難しいことだけど、実は、大人でも難しい。

かく言う私も、今でも
楽をして早く上手く弾けるようになろうとして
つい、ただやみくもに何度も繰り返し
何度も弾けばそのうち出来るだろうとタカをくくって

でも、思うように弾けるようにならなくて
焦ったり、自暴自棄になったりします。

そんな時は、気持ちを落ち着けて
「楽に上手くなる」はすっぱり諦め、残念だけど、すぐには出来ないのだいうことを受け入れて

意を決して、ゆっくりと1から、面倒なことも
時間がかかって疲れることも、我慢してじっくりやってみると、あれ?、ちゃんと弾ける。

そうか、自分は
今までこれをサボってやらなかったのだ
でも、やれば出来るんだ、と
反省も出来て、自信にもなります。

ちゃんとやれば、どんなに不器用な人でも、
出来るようになることはたくさんあるし
ちゃんとやらなければ、どんなに能力が高い人でも、
出来ないこともあるのですよね…





いい加減に速く弾くより
ゆっくりきちんと弾く方が良い
ピアノの先生の決まり文句の1つですよね。

何百回でも、何千回でも言いますが
早く実行してくれた人の勝ちだと思います。
今すぐ、「ゆっくり練習」を試してみて下さいね!


ソルフェージュグループレッスン
2回目が終わりました。
全て終わったら、また記事にします。






最近、手指消毒剤を新しいおしゃれ?なものに変えたら、

生徒さんたちが「これ何?使っていいの?」って言う。


コロナの始まった年に買いだめした手指消毒剤、使用期限を迎えております…(3年程度なんですね)

 



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