夏目漱石著『坊ちゃん』 | J'aime・・・

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私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
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明治の文豪夏目漱石著『坊ちゃん』を読みました。

夏目漱石の『坊ちゃん』、有名ですよね。皆さん、読まれました?

私にとっては、思い出深い本。小学3年生か4年生のクリスマスに父に買ってもらった本。緑のしっかりした紙質のブックカバーの『坊ちゃん』を今でも覚えています。香川の実家の倉庫には今もあるかもしれない。けれど、本の内容を覚えていない。小学生の私にとっては難しすぎたのか、最後まで読んだ記憶がない。故に、物語の結末まで知らないまま、大人になって、更に年を重ねた今に至っています。

凄く気になっていた『坊ちゃん』、図書館で見つけ、イラストにも惹かれ借りて来ました。借りてきたのは昨年の夏。結局読まずに返却し、今年の冬にもう一度、借り、読み終えたのは桜の花が散った4月半ばでした。読み始めたら面白く、一気に読みました。電車の中で、休日のランチのお供、お花見のお供、色んな時間を使いながら読んでいきました。当時の父や母のことを思いだしながら…。

『坊ちゃん』、面白かった。坊ちゃんの生まれ育った境遇、清という下女のこと、そして、教師として赴任した四国松山での出来事。名前だけは知ってた「赤シャツ」「山嵐」「マドンナ」がどんな人物化も良く分かりました。曲がったことが大嫌いな、江戸っ子坊ちゃんが、明治という新しい時代で生きていく物語。面白かった。そして、今に通じるものを感じました。ちょうど、3月に終わったTBSドラマ『不条理にもほどがある』に通じるものを感じ、今の時代、坊ちゃんでいうと明治維新の時代)の生きづらさを感じ、共感できることもたくさんありました。

明治に書かれた「坊ちゃん」。日本語がとても美しい。最近使わなくなった言葉も散らばっている。ぜひ、読んで欲しい一冊です。

特別解説は、小説家であり内科医である夏川草介氏(『神様のカルテ』著者)が担当。この解説がめちゃくちゃ面白かった。
そして、カバーイラストは、人気イラストレーターのカスヤナガト氏が担当。有名な方なんですね。存じ上げずお恥ずかしい。
分かりやすい新注釈付きの夏目漱石作品の入門書です。夏川草介氏の解説とスヤナガト氏のイラストは「草枕」でもコンビを組んでいるそうです。次は「草枕」に挑戦かな。

 

気になる点をひとつ…。

坊ちゃんの松山に対する扱いはひどいものです。「不浄な地」とまでいわれ、坊ちゃんに去られた松山。当の松山の人々は、いっこうに気にしてない様子。「坊ちゃん列車」「マドンナバス」「坊ちゃん団子」「坊ちゃん劇場」「坊ちゃん文学賞」と『坊ちゃん』の存在感は別格のよう。何でだろう?不思議だ~。松山にご縁のかた、教えて欲しいわ。

 

では…