浅田次郎著『中原の虹』1~4巻読みました。 | J'aime・・・

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 浅田次郎さんの壮大な『蒼穹の昴』シリーズ、『珍妃の井戸』に続き『中原の虹』1~4巻、読みました。

 
 浅田次郎さんの小説、難しい清王末期をフィクション、ノンフィクションを交えて本当に分かりやすく小説にしてくれている。面白くて、のめり込むようにページをめくっていきました。『蒼穹の昴』の登場人物のその後が気になるので、今回新たに登場した人物(これがまた多いんだわ~)のとこは、少々早送りで読み飛ばしたけどね(笑)
 
 『中原の虹』1巻、メインキャストは、まさかのあの方。苗字が同じ、名前が似ているな~と読んでいたら、やはりそうだったかの展開。満州馬賊が多く登場するこの物語。強き者だけが生き残る、誰だって容赦しない冷酷さ…。それを簡潔明瞭にズバッと表現。生きることのせつなさを感じる場面もありました。
 『蒼穹の昴』の登場人物も出てきます。あの物語の数年後、彼らはこんな風に生きていたのか…。宝塚歌劇の『蒼穹の昴』の登場人物の姿や声がオーバーラップしながら読んでいくことが得来ました。春児と西太后のやり取り。この本でも春児の瞳は、朝美絢さん演じた春児のようにキラキラ輝いていました。
 
 
『中原の虹』2巻。
満州に渡った日本人将校の実家は東京。その母親が訪れた下町の長屋に住む柳川さん夫妻。「夫妻はまるでつがいの小鳥のように仲睦ましい…」。このことを知れただけでも安堵しました。良かった…。あの船に乗った二人は、エルベ河のカールんとこに着いたんじゃなく、無事日本に辿り着いたんだと(笑)この夫婦には、男の子がいます。でも、子供は一人で良いと旦那さんはいいます。『蒼穹の昴』は、たしかに続いていた。
 
 
『中原の虹』3巻
孫文(孫中山)、蒋介石、歴史上の人物の登場に、歴史は続いてると実感。幼少期の愛新覚羅溥儀の登場は「ラストエンペラー」のあの幼い姿が思い出される。
 
 
『中原の虹』4巻
登場人物のひとり、柳川さんの奥さんはなんていい人なんだろう。その姿は、舞台で見たあの娘役さんの微笑そのもの。そして、ついに再開。感動したな~。フィクションとノンフィクションが頭の中でごちゃごちゃしてしまったけど、時折登場する「悪女」の代名詞のような西太后を別の視点、つまり、5千年続く地球の華である中華の民を守るために悲痛の選択をする以外に方法がなかったヒロインとして描いている点には心打たれた。満州族、漢族、悠久の中華の歴史と民。それらの頂点になる天子の偉大さ。今の姿の中国には失望しているけれど、その歴史やそこで生きる人々の姿に大きく心揺さぶられた作品でした。

 
 
 
 『蒼穹の昴』シリーズは、この後、『マンチュリアン・リポート』『天子蒙塵』と続きます。次へ進むのはちょっと休憩が必要。他にも読みたい本があるから。でも、いつかシリーズ読破を目指します。