池田理代子著『フランス革命の女たち〈新版〉―激動の時代を生きた11人の物語―』読みました。 | J'aime・・・

J'aime・・・

私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
好きなものに囲まれた日常の出来事を書き留めていきます。

池田理代子著『フランス革命の女たち〈新版〉―激動の時代を生きた11人の物語―』読みました。

 

ピンク薔薇 本の紹介( 出版社より) ピンク薔薇

永遠の名作『ベルサイユのばら』誕生から50年。ロココの薔薇マリー・アントワネット、美貌の画家ヴィジェ=ルブラン、暗殺の天使シャルロット・コルデー……美貌と愛によって、才気と知性によって、歴史の

表舞台へと躍り出た女たちに寄り添い、その激しい人生を活写する。マンガでは語り尽くせなかったフランス革命をめぐる真実の物語。

 

赤薔薇 感想 赤薔薇

 私のバイブル、『ベルサイユのばら』。今年は『ベルサイユのばら』誕生五十年にあたります。あの偉大な作品が世に出てから、もう半世紀が経ったのか!東京では、9月17日より『ベルサイユのばら展』が開催されています。大阪で見れるのは11月末。その誘惑もあり、最近もう一度、ベルばらに触れています。そのひとつが、この本です。

 ひとこと!面白かったな~。池田理代子先生の才能の凄さに驚いています。ベルばらでも描いた自由で平等ということへの強い信念と自分の意思を持たれた方だと改めて痛感しています。ものすごく勉強した方なんだと。ベルばらでは描ききれなかった女性の自由と平等への著者の思いが、この本に描かれた11名の女性の生き様や信念を通して描かれています。女性が女性として、人間としての存在を認められず、男性のためにあった時代への憤りを感じている理代子先生にしか書けない本だと思います。欧州の歴史を知るにためにも勉強になる貴重な一冊だと思います。「ベルばら」に関係なく、ぜひお読みいただきたいです。

 描かれた11名の女性。どの女性にも、長所も短所も醜い心や打算もありました。高級娼婦もいれば、マリー・アントワネット、アントワネットの娘、マリー・テレーズ、ナポレオンの初恋の人デジレもいます。誰もが偉人ではなく、その時代を懸命に生きた一人の女性としての姿を赤裸々に描いています。誰もがギロチンの露と消えたあの時代、狂気と背中合わせの時代を懸命に生きた女性の姿を、女性作家ならではの視点で描かれています。ほんま、面白いです。

 「ベルばら」ファンなら、さらに面白い視点で読めると思います。漫画に描かれた場面が、歴史上の真実と共に甦ります。デュ・バリー夫人と皇太子妃マリー・アントワネットの闘いの場面。そして驚いたのは、デュ・バリー夫人がアントワネットより長生きしていることです。彼女は、フランス最後の王妃となったアントワネットの処刑をどういう思いで見ていたのか…。その真相は描かれていませんが、ベルばらファンとしては気になります。他にも、フランス革命直前の1789年7月12日、大蔵大臣ネッケルがルイ16世に罷免された場面を伝えた青年、木の葉をとり、それを記章にして武器を取ろうと呼びかけた青年、この場面のイラスト、覚えています。あの青年と妻の物語も描かれています。お互いを愛するがゆえに革命の渦に飲み込まれ、断頭台の露と消えたその姿、あの青年の妻の物語を知ることができたことは貴重な経験でした。読書って、本当に知識の泉であり、楽しいものだと感じました。ほかにも書き出したら止まらない。ぜひぜひ、読んでいただきたいです。

 

 

 

ベルサイユのばら展はこちら