辻仁成著書『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』読みました | J'aime・・・

J'aime・・・

私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
好きなものに囲まれた日常の出来事を書き留めていきます。

辻仁成さんの最新エッセイ集『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』読みました。

 

本 本の紹介 本

 幸せというものは、欲ばらない時にすっとやってきて寄り添う優しい光のようなものじゃないか。ぼくが離婚をしたのは息子が10歳になったばかりの年だった。本書は14歳の頃からスタートするが、回想するように、息子が10歳だった当時に遡ることもある。小学生が大学生になるまでの間の父子の心の旅の記録である。ぼくは父であり、母であった。シングルファザーになったあの日から。

 

 

 

コーヒー 感想 コーヒー

  辻仁成さんのブログを一冊の本にまとめたもの。私がこのブログに出会ったのは2019年秋、目前に控えたパリ旅行前にフランス国鉄が大規模なストを敢行するという暁天なニュースを知ったとき。現地の情報が欲しく、ネット検索していて出会いました。当時は、「辻仁成、中山美穂の元ダンナ」、これが全ての辻さんに対する知識でした。辻さんのブログに出会い、辻さんのシングルファーザーとしての苦労、一日一日を息子君のために大切に生きる姿に感動しました。そして誰もが想像することができなかった暗黒のコロナ禍。世界中がパンデミックに巻き込まれ、欧州主要都市はロックダウンという前代未聞の措置を取りました。未来が見えないコロナ禍の日々、それでも辻さんは、心のこもった手料理で息子君と生き、時にはぶつかり合い、それでも丁寧に生きてきました。辻さんの文面に励まされ、希望を持ってコロナ下を生きていくことが出来ました。「コロナ以前のあの時代にはもう戻れない」、「ペスト撲滅に70年かかった」、「コロナとどう向き合い今を生きてゆくかが大切」、この言葉が印象的です。今だけ我慢するんじゃない、with コロナの時代、after コロナの時代をどう生きるのか、二度と戻らない今をどう生きるのか考えさせられました。

 ほとんどの内容をタイムリーにブログで読んでいましたが、シングルファーザーとして息子君と向き合った内容を集めているのでさらに読みやすいです。辻さんのブログを読んだことがない方にもお勧めです。辻さんのブログを読んだことがある方にとっては、当時の自分を思い出しながら読めます。自分自身の回顧録にもなります。

 私、思うんです。辻さんのブログって、息子君のお母さんに宛てたメッセージなんじゃないかと。君の息子は、こんなに成長しているよ、ママと離婚した時のことはまだ話せないんだ、やっぱりこの子はどこかでママを恋しがっているんだと…。

 いろんな思いが駆け巡る本です。異国の地で頑張る辻さん、素敵です。

 

辻さんのブログ JINSEI STORIES