12度目の台湾旅行 2015年12月18日~20日 3日目その2 高雄市立歴史博物館 | J'aime・・・

J'aime・・・

私の好きな台湾、五月天、そして宝塚。
好きなものに囲まれた日常の出来事を書き留めていきます。

 鹽埕での早餐と朝市散策の後は、高雄市立歴史博物館を目指します。台湾好きの友人に「高雄へ行って高雄市立歴史博物館へ行ってないってどういうこと!!」と散々言われ、更には「二二八事件のことが分かりやすく説明されている」とも教えてくれました。ちょっと気になっていた場所です、けれど…、高雄に嫁いで26年のヒミコさんは和装、「まだ行ったことないけど…」と言われてます。私、ヒミコさんより凄いかも~


高雄市立歴史博物館(鹽埕區中正四路272號)http://khm.gov.tw/home01.aspx?ID=1
高雄市立歴史博物館 この建物は、清水建設により日本統治時代の1938年(昭和13年)に建設が始まり翌1939年(昭和14年)に完成しました。当時は市庁舎として建てられました。1992年には、高雄市役所は高雄市政府と改名され、苓雅區に移転しました。深い歴史的意味を持つこの建物は1998年に新たに「高雄市立歴史博物館」として開館し、台湾初の地方自治体運営の歴史博物館になったのです。2004年には高雄市の市定古跡に指定され歴史的建造物を文化的施設として整備、再利用しているモデルケースとなっているのです。(日本語パンフレットより)
レトロだけれど、何処かモダン、そして格式高い荘厳な雰囲気を感じます。

建物の中に入ると、最上階までの吹き抜けのロビーと豪華なY字型階段あります。
 高雄市立歴史博物館 白い階段、コリント式柱頭の円柱には金の装飾。時を刻む大きな時計。ピーンと張った緊張感ある空気の感触。神聖な場所に来たのだと背筋が伸びます。(実際には背筋伸びてなかったと思うけど)

 2階では特別展が開催中。一甲子的弄影人──蔡龍溪皮影戲文物捐贈展》は、影絵紙芝居「皮影戯」に関する資料や実施に使われたものが展示されていました。「皮影」は、動物の皮「ロバ、牛、羊」で作った登場人物や動植物、大道具、小道具、背景 などの総称です。それらは細部にわたりとても緻密に作られ、見ていて楽しいです。音楽も面白い。2013年の台湾映画『祝宴!シェフ(原題:總舗師)』でも「皮影戯」を使っていましたね。
 台灣皮影戲史上最高齢の演師、蔡龍溪さん(1892~1980)にまつわるものの展示、特に手書きの台本は興味深かったです。晩年、視力が低下した蔡龍溪さんの文字は、大きく力強かったです。日本統治時代終盤には「禁鼓樂」が発令され、「皮影戯」は上演を禁止されたそうです。第二次世界大戦後に「皮影戯」の復興に力を注ぐとともに、劇本や舞台演出、舞台音楽を整理し、影絵紙芝居に無限の命を吹き込んだそうです。この一甲子的弄影人──蔡龍溪皮影戲文物捐贈展》は、2013年4月4日まで開催されています。


「尚水的故鄉」この意味は、多分「今なお美しい故郷」かな?台湾語で「水」は(すい)と読み、「良い」という意味です。(イマイチ自信ないのでsosです)
 高雄市立歴史博物館 高雄の大樹區と林園區に焦点を当て、人を引き付ける魅力や農産物(大樹三寶:水、荔枝、鳳梨)などを紹介しています。高雄って広いんですね。湾岸都市高雄という顔だけでなく農産物も豊富に採れるのです。大樹區の荔枝ライチ、鳳梨パイナップル、いつか食べなきゃ。
 
 自然を賛美するだけでなく、目の前の問題にも着目しています。原発や廃油に関する高雄市民の訴えを展示しています。「看見台彎」で見た自然破壊の場面を思い出します。

印象に残る言葉… 。私たちに投げかけられた大きな宿題です。

高雄市立歴史博物館

  
如果說山林是家園的守護者、
那麼誰來守護山林?

もし山林が故郷を見守る者なら、
それでは誰が山林を見守りに來ますか?


この答え、分かりますよね。私たちが何をすべきかを問いかけています。は2016年5月29日まで開催されています。


 2012年2月28日からの常設展は「二二八‧0306」。二二八事件が起きた1947年、この歴史博物館はは高雄市政府として使われていました。高雄二二八事件処理委員会がここで集会を開いただけでなく、1947年3月6日、政府軍隊による武力鎮圧がここから始まりました。陰謀と策略に満ちた事件背景が詳しくの解説されています。これは、Sさんがきちんと説明してくれたのですが、1度聞いただけではなかなか分かりません。事件現場はジオラマで再現されます。眩い美しさと威厳で輝いていたあのY字型階段が血の海となり、ついさっき歩いていた廊下で繰り広げられた銃撃戦。壁に隠れた銃口から放たれる銃弾。白いシャツが見る見るうちに赤い血に染まるその恐怖。非人道的であり残酷な出来事が今いる場所で行われた…。とても恐ろしいことです。今でも時々その映像や音響を思い出します。二二八事件の残酷さを考えさせられる貴重な経験が出来ます。高雄を訪れる方にはぜひ足を運んでほしい場所です。開催期間は、2016年2月28日となってます。
http://khm.gov.tw/khm_jpn/home02.aspx?ID=$2001&IDK=2&EXEC=D&DATA=556&AP=$2001_HISTORY-0
(あまりにも素晴らしい展示なのでこれ以降も継続されると思うのですが…)

 本当は、もうすこしここにいたかったのですが、残念ながらタイムオーバー。12時を過ぎてしまいます。空港へ向かわねばなりません。高雄市立歴史博物館、そしてその周辺の鹽埕散策には十分な時間が必要です。2015年8月、原宿にオープンした貢茶(http://www.gongcha.co.jp/)の鹽埕店もあります。私より日本の事が詳しいSさんに教えてもらいました。タピオカティー、いつか飲みに戻って来ましょう。


高雄市立歴史博物館 高雄市立歴史博物館の目の前には、二二八和平公園。


 あっという間に帰国の時間。Sさんともお別れです。お昼ごはんを食べる時間のない私を気遣って鹽埕站近くの義美 I-MEI に連れて行ってくれました。ここでお昼に食べるパンとお茶を購入です。最後の最後まで、とても親切にしてくれました。本当に感謝です。それに、義美 I-MEI、とても行きたかったのです。ここのお菓子、美味しいですから。Sさんは、これから長距離運移転で帰宅。一路平安…。


高雄圀際機場
高雄圀際機場 マジ、帰国かと思うとしみじみ悲しい。


出国審査を受けるとこんなアートな装飾があります。なおさら悲しい。
 高雄圀際機場 


 「12度目の台湾旅行 高雄へ 彼方南へ」、これで終わりです。五感に残したたくさんの思い出、どれ一つ忘れることはないでしょう。1分1秒、全てが宝物です。

 最後に…
会いに来てくださったヒミコさん、本当にありがとうございます。また高雄で、そして、できれば日本でもお会いしたいです。

Sさん、語りつくせない感謝の思い、どう伝えればよいのでしょう。私のために、色々調べてくれたこと、そして、旅の間もずっと調べ続けてくれていたこと、忘れません。Sさんがいなければ、こんなに楽しい旅は出来ませんでした。BGMの五月天、話してくれた沢山の事、全てに感謝しています。そして、これからも、どうかよろしくお願いします。本当にありがとうございました。

 最後の最後に…
最後まで読んで下さりありがとうございます。ひとりでも多くの方が台湾を好きになりますように、台湾へ旅行し、台湾の方と親交を深めて下さりますようにと願っています。

では…。




と、いいつつ…、実は、まだあるのさ~
帰路の飛行機の中、私の隣に座ったのは、高雄弾丸1泊旅行をしたという女性。「高雄1泊2日、全然平気ですよ。楽しめますよ~。世界一のパン職人:呉寶春(ウー・バオチュン)さんのお店でパンも買って来れますよ。<吳寶春麥方店バケット、知ってます?「荔枝玫瑰麵包(Taiwan Litchi Rose champion Bread)」はバラの花びらの香りが口の中に広がるんですよ~薔薇。」そして、<吳寶春麥方店バケットのカスタードクリームパンを1個くれましたあんぱん。更に色々お喋りは続きます。気が付いたら関空に到着していました。そのままお喋りは続き、空港でもお喋り…。台湾旅行達人の行動力と情報量は半端なかったですすごい
結論
□ピーチを使えば関空⇔高雄 1泊2日は没問題!!

<吳寶春麥方店バケットのカスタードクリームパン、美味しかったです。神戸のドンクで修業をした呉寶春さんのパンは、日本で食べてる高級パンの味に似てます。「何でこのパンこんなに高いねん!ケーキ買えるやん!!」っていうパンに似てるんです。確かに美味しい。でも、義美 I-MEI のパンの方が私は好きです。小麦粉そのものの味がするんです。

では、ホントにこれでおしまいですバイバイバイバイ