年末年始にモーリタニアを旅行しましたので、今回、モーリタニアいうあまり聞かない国を紹介し、その後、写真をアップしていきたいと思います。
■国民
モーリタニアの正式名はモーリタニア・イスラム共和国で、敬虔なイスラム教徒が多くいる国です。イスラム教徒の比率は99.1%です。
※国名をモーリタリアと勘違いされている方もおられますが、モーリタニアが正しいです。
人種比率はムーア人(アラブ人とベルベル人の混血)が30%、黒人が30%、両者の混血が40%です。多年のムーア人支配の影響で、社会の上層部はムーア人が占めています。
6歳から12歳までの初等教育が無償の義務教育期間となっており、その後6年間の総合中等教育を経て高等教育となります。2003年の15歳以上の人口の識字率は51.2%です。
■地理
アフリカ大陸の西側に位置するモーリタニアは、北西に西サハラ、北東にアルジェリア、東と南にマリ、南西にセネガルと国境を接し、日本の約3倍の国土面積で、国土の90%以上がなんと砂漠です。したがって、町や村の家の前でも砂漠の砂があるということが当たり前です。
■気候
ほとんどが砂漠気候で、冬にハルマッタンと呼ばれる北東の風が吹き出き、サハラ砂漠中央部・チャドのボデレ低地から莫大な量の砂塵を巻き上げ、モーリタニアに砂塵を降らせます。
ハルマッタンが吹くと視界がかすみ、太陽がぼやけ、空はいつも曇りがちとなってしまいます。したがって、観光は冬にしやすいのですが、きれいな砂漠・砂丘を見たい方は冬は避けた方がいいです。
沿岸部は寒流であるカナリア海流の影響により、温暖な気候となっています。首都ヌアクショットの年間降水量は100mm以下です。
■人口
約300万人で、首都ヌアクショットは約90万人で、人口の三分の一と集中しています。
というのも、近年サハラ砂漠の砂漠化の拡大が問題となっており、家が砂で埋もれていっているため、人は沿岸にある首都に集中しています。
ヌアクショットは1958年に首都になりましたが、当時の人口は2万人もいませんでした。この50年で急激な人口増加がうかがえます。
<参考>環境省の調査では首都ヌアクショット郊外の砂漠で84年に行った砂丘観測では、風の強い日は1日に4メートルも前進するとのことです。
■歴史
8世紀にクンビ=サレー(モーリタニアの南東部)を首都として、ガーナ王国が興り、ムラービト朝に1077年に滅ぼされるまでその繁栄は続きました。
繁栄のみなもとは金、塩、銅製品などの交易路を押さえ、その中継貿易の利です。
その周辺にあるモーリタニアのシンゲッティ、ウワダン、ウワラタ、ティシットも隊商都市として繁栄を極め、ガーナが滅亡した11~12世紀にも繁栄を続けました。
繁栄の中、特にシンゲッティは12世紀頃に西アフリアあたりでメッカの巡礼地の出発点となり、イスラム学者、学生、修道士などが集まる文化都市となり、西アフリカではイスラームの第七の聖地として巡礼の対象にもなりました。シンゲッティ、ウワダン、ウワラタ、ティシットは現在も古い街並みが保存され、世界遺産になっています。
20世紀初めにフランスによって植民地化され、フランス領西アフリカの一部となり、1960年、アフリカ諸国の独立が進むなかで11月28日に独立しました。
こういったことから、現在でもフランス語が共通語としてよく使われ、英語を話す人は多くないです。
■経済
主要対外貿易は鉄鉱石・銅、漁業で、鉄鉱石は1億7,636万225ドルで総輸出高の40%を占め、漁業は1億3,508万4,427ドルで外貨獲得では全体の約40%を占めています。
特に漁業では日本が輸入するマダコの主要輸入先の一つとなっています。ウィキペディアによると、2009年、モーリタニア産は日本のタコ消費量の約35%もあります。
そのタコ漁を伝授したのは日本人(中村正明さん)で、タコ漁は公務員初任給の5倍もあるとのことで、モーリタニアの数少ない輸出品として非常に重要となっています。
それが日本人の援助というのはうれしいことです。
2006年2月からシンゲッティ油田の生産を開始し、他の油田も開発途上で、モーリタニアの経済・社会発展が見込まれています。シンゲッティの世界遺産を訪れましたが、そこのオーベルージュ(宿泊設備のあるレストラン)には石油関係者が宿泊し、付近には長期滞在者用に簡易宿泊設備もありました。
1人当たりGDPは1141ドルで、日本は42783ドルのため、約40分の1です。(2010年IMF,World Economic Outlook Database)
■観光資源
主な観光資源は砂漠と岩絵と2つの世界遺産です。
砂漠はニジェール、リビア、エジプトのように砂丘は高くなく、砂丘の数も少ないのですが、パリ・ダカールラリーのコースだったところ。そこを走破していくのはラリーの過酷さ・危険さを体験でき、ラリーファンではなくても楽しめると思います。
岩絵はアルジェリア、リビアと比較して保存状態はよくないですが、キリン、牛、踊る人々などの岩絵が見えられます。
1つめの世界遺産はウアダン、シンゲッティ、ティシット、ウアラタの古いクスール(伝統的村落)です。ここは上記の歴史で説明のとおり、隊商都市として繁栄しまし、現在は砂漠の拡大化とともに、埋もれていきつつあります。
2つの目の世界遺産はバン・ダルガン国立公園で、ヌアクショットの北に位置するモーリタニア西岸の国立公園ですサハラ砂漠が大西洋と接する場所で、干潮時には沖合い60kmまで水深5mの浅瀬となり、満潮時には砂洲や岩礁が水没するという独特な環境です。
沖合いには暖流と寒流がぶつかる潮目があるため、魚が多く集まり、それを目当てとする鳥類や海棲哺乳類も多く集まり、とりわけ、公園内の島々の砂州は、渡り鳥の楽園と化し、アフリカ最大級の湿地帯は水鳥の宝庫となっています。
こうした鳥類と海洋生物の多彩さが評価され、ユネスコの世界遺産に登録されていますが、陸地からではそれらの観察は難しく、観察するには環境に負荷を少なく、騒音の少ないエンジンの無い帆船で行われます。
■食事・お酒
フランス領だったにもかかわらず、伝統料理が色濃く残っています。
というのも、モーリタニアは欧米の企業受け入れには積極的でなく、伝統を重んじているからです。
そのため、首都でも3階以上の建物は非常に少なく、首都とはとても思えないくらい町です。その素朴さが新鮮でモータニアはいいと思いました。
食事の話に戻って、現地の人は海鮮物は潮くさいものは基本的にだめなようで、あまり食べないようです。
ここの主食は北アフリカでよく食べられるクスクス(硬質小麦の一種であるデュラム小麦の粗挽粉に水を含ませ、調理後の大きさが約1mm大の小さな粒になるように丸めてそぼろ状にしたもの)です。
他には最近、日本でブームとなっているタジン料理(とんがり帽子のような形の蓋が特徴的な独特な鍋を使い、羊肉か鶏肉と、香辛料をかけた野菜を煮込む料理)です。
野菜の煮込みでは特にカブがおいしかったです。
タジン鍋でつくった野菜シチューはカレーのルーのようにクスクスと一緒に食べるとおいしいです。
次にお酒です。
ここは敬虔なイスラムの国のため、お酒の持ち込みNG、現地でもお酒は売っておらず、飲めないです。フランス人の経営するオーベルージュなどで頼めば売ってくれることはあります。
敬虔なムスリムが多いため、現地の人(ガイド、ドライバー)にお酒を薦めても飲みませんでした。外国に在住した人なら、個別で言えば飲酒することはあります。
現地の人が酒を嫌がる話があります。
ツアーの人がお酒を持ち込み、夕食後、酒宴をしていたのですが、その際、ツアーメンバーと現地スタッフが食事でつかうグラスを使っていました。
しかし、現地スタッフはお酒がついたグラスはもう使えないから、捨てるというのです。
そこで、現地スタッフはそのグラスを使わないで、ツアーメンバー用に使うから捨てないでほしいといいましたが、本当に捨てられました。
洗ったグラスでも一度、不浄になったものはもたないという現地の考え方にふれることができました。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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