アンデスの聖餐

　
大変だ。可愛いチワワたちが捨てられちゃったよ。

しかも、檻に入れられたままだぜ。



この残酷に気が付いているのは、チェブらーただ１匹だけだった……。





チェブ「――出しやがれ、この野郎ッ」

チェブ「クソーッ！」





あんじ「チェブったら大声出しちゃってどうしたのかしら？」

クルテク「きっと、お菓子を持ってくるのを忘れたんだよぉ……。あふん♪　あふん♪」





――さて、閉じ込められて数時間。

のん気していた２匹もやっと深刻な事態に気が付くことになる。





あんじ「喉が渇いて……、どうにか……、なりそう……」

チェブ「……あんじ。頑張れ。きっと、助けが来るさ」

チェブ（――とは言ったものの、やれやれだぜ。何か脱出方法を考えないとな）





チェブ「疲れて眠ってしまったか……」

チェブ「だが、それがいい。気に病んでも何もいいことはないさ」





チェブ「二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めた」

チェブ「一人は泥を見た。一人は星を見た」



チェブ「…………」

チェブ「俺は最後まであきらめないぜ」





♪Siouxsie and the Banshees - Hong Kong Garden



そして、さらに１０日が過ぎた……。





チェブ「…………」

クルテク「…………」

２匹とも一滴の水分もない沙漠状態。カッサカサでパッサパサだぜ。



この可哀想なチワワたちを見つけて保護したのが、そう、ミクとマディーなのさ。



チェブの消え入るような小さな叫びに気がついたんだ。



クルテクは特に何もしなかったよ。





あんじ「…………」

助けられた時、あんじはとても危険な状態だった。

本当に危機一髪の状況だったんだ……。



これが家族の出会いの一部始終。

もちろん、今ではみんな幸せに暮らしているよ。