Les Merveilles -designer official blog-

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【Les Merveilles】
 ウエディングドレス/服飾雑貨/舞台衣裳のレンタル・オーダー
制作販売を随時予約制にて承っております。
雑貨類はminneのほか、ハンドメイドイベント等でも販売しています。

Les Merveillesのデザイナーのblogです。


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こんばんは。

2018年最終日の夜、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

Les Merveillesにとっての2018年は、

これ以上ない感謝の一年でした。

 

これまでの色々なご縁が再びつながり

そのことによって、

不思議なことに、誰にも口にしたことのない

かねてからの夢が叶うようなことが、あらゆる方面で起こりました。

 

とても素晴らしいアーティストの方々と

お仕事を通して関わらせていただくことは、

いつも新鮮な喜びと未知への挑戦、

自分の限界へのアプローチに満ちており…

そのことによって、自分自身の成長の可能性をいただいているのだと心からそのように感じます。

 

そのようなご縁と機会をいただいたそのことに、

また新たな世界への道に

そして仕事、プライベート問わず、

いつも見守り支えてくださっている、関わる全ての方々に

心より、感謝申し上げます。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

さて今年最後のブログでは

9月のことを振り返る形ではありますが

色々な面で新たな挑戦をさせていただいた、

バレエ「鶴女房」の衣裳について

書きたいと思います。

 

上杉真由様と緑間玲貴様・niconomiel様のユニットが、

イギリス・ヘイスティングスを中心に開催された

現代作曲家による調性音楽作品の新作発表の場である

「 International Composers Festival 2018」に

作曲家・門田展弥氏が書き下ろしたバレエ作品

『 鶴女房(The Crane Wife)』の振付家・ダンサーとして

日本のバレエ団として初めて参加するにあたり

お声がけいただいたものです。

 

 

衣裳のご相談をいただいたのは、

実はLes Merveilles史上最も本番に近い日にちだったので

これはお請けしてよいものか…?

いくら時間がないとはいえ、

半端なものを作ってはいけないという責任上

少し悩みそうなところだったのですが

これはなんとしてもやらなければならないと、心の奥底で

そのような気持ちが強く湧いてきており…

ご相談の上、

・与ひょうの衣裳は0からのデザイン・制作

・鶴の衣裳に関してはお手持ちの着物風衣裳のアレンジ

をさせていただくということで、話がまとまりました。

 

本番の演奏はジョン・アンドリュース氏(BBC交響楽団指揮者)

指揮でのフルオーケストラ上演ということで、

私は日本にいたため

残念ながら本番に立ち会うことはできなかったのですが

お話を聴く限りでは、非常に素晴らしい公演だったようです。

 

本番には立ち会えなかったものの、

衣裳合わせのために上杉先生のスタジオへお伺いした際、

私も実際に作品を形にしていく現場に触れさせていただく機会がありました。

上杉先生とは今回が初の対面でしたが

まとう空気が緑間様と同様、静かにピンと張りつめて澄んでいるというか…

例えるなら神社の境内に入ったときのような、

静かな心地よさを感じさせるような

そんな魅力的な方でした。

 

お稽古の一部を拝見させていただいただけでも、

その表現の絶妙さと日本的な振舞い、

感情を揺さぶられるようなドラマティックさと

鶴と与ひょうの愛と現実と葛藤とを描く世界はうつくしく、

思わず涙が零れ落ちそうになるものでした。

ですから、本番はそれの何倍もの感動があったに違いありません。

 

以下の写真は、おふたりの許可を得て掲載させていただく、

イギリス公演本番のものです。

 

衣裳の写真のアップ↓

 

イギリス公演ということで、

おとぎ話とはいえ

日本人が着る日本の衣裳ということですから、

衣裳の形態や帯の結びなど、

日本人の作る日本のデザインとして恥ずかしくないものをと考えると…

与ひょうの衣裳では歴史衣装や農民の野良着について、

また鶴に関しては帯や帯締めの結びのかたちなど

身分も考慮したりと非常に気を使ってデザインを検討しました。

 

衣裳自体はシンプルではありますが、

限られた時間内での研究は非常に緊張感のあるもので、

貴重な経験でした。

 

その成果があったのかどうか、

それは現場で見られたお客様の

心の内にのみあったといえるかもしれませんが

個人的には今回も非常に素晴らしい方々と、

大変貴重な経験をさせていただき

緊張感はあれど、学びが多くあり

とても幸せな時を過ごさせていただいたと思っております。

 

改めまして、

関係者の皆様に、心より感謝を申し上げます。


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こんにちは!

今日はクリスマスイヴですね。皆様はいかにしてお過ごしでしょうか。

繁忙期でお仕事という方もたくさんいらっしゃると思いますが、

どなたにとっても良い日でありますように。

 

私は、今年もここまで仕事三昧でしたが

今日はケーキを焼いてクッキーを焼いて

数日後に作る予定のお菓子の下準備をして…

ちょっとした平和な時を楽しんでいます。

年末にかけては、通常の仕事と並行して、

今年の仕事の資料整理や片づけをしつつ…

次の大きな仕事への切り替え時期にしたいと思っています。

 

さてクリスマスが近いということで、

先日は以前より仲良くさせていただいているオペラ歌手の方からの

ご依頼を受け

コーラスグループ・アンサンブルひまわり様のコンサート衣裳の

デザイン・制作をさせていただきました。

 

コンサートは浅草橋にひっそりと佇む、パイプオルガンを備えた

素敵なスタジオ【Mガルテン】にて

オルガン奏者の先生とご依頼主様の指揮のもと、行われました。

 

 

アンサンブルひまわり様は、高校の音楽部の同期OGの方々で

結成されたコーラスグループで

プロのオペラ歌手である今回のご依頼主様のご指導のもと、

日本語からラテン語まで、女性の声を活かした幅広いレパートリーを日々練習し、

こうしてコンサートをされているとのことです。

 

高校同期のメンバーの皆様も、いまはそれぞれ各地でご家庭や

お仕事にお忙しく過ごされる中、

それでもこうして皆さんで集まって当時からの御趣味であった歌を今も続けていらっしゃる…

このようなことは誰でもしたい気持ちがどこかにあったとしても、

様々な理由により、普通はなかなかできないことだと思います。

そのように忙しい合間をぬって練習を重ねてきた皆様は

それぞれに素敵なお人柄で自分らしく輝いておられ、

私も関わらせていただく中でパワーや幸せな気持ちをたくさん

いただきました。

 

今回はクリスマスコンサートということで、

ひまわり様はそれにちなんだ歌をメドレーのような形でご披露され、

生のパイプオルガンの調べにのせた皆様の声の綺麗なハーモニーに

私も一足早いクリスマス気分を充分に味わわせていただきました🎄✨

そして先生でもあるご依頼主様は、合間にソロでオペラからの歌曲を抜粋してご披露され、

一瞬で場の空気が変わり、その世界へ引き込まれるような迫真の歌を聴かせていただけたのは

それはそれは贅沢な時間でありました✨

 

↑赤い衣裳に身を包んでいるアンサンブルひまわりの皆様と

ご依頼主様、

また声楽レッスンを受けられている生徒様方の集合写真

 

今回ご依頼いただいた衣裳は、

このコンサートのみならず、今後も幅広い場で活躍できるように

ということと

ロングスカートにもパンツスタイルにも合わせられるものであること、

身長や体格差などがあっても誰でも綺麗に見えるシルエット…

などが皆様からのご希望でした。

 

お色や素材の相談など、

代表者の方々と打ち合わせをしつつ

サンプル試着などにもいらしていただきながら、

最終的に同デザインで11人分の衣裳を制作させていただきました。

 

今回はシンプルなデザインであるがゆえに、

いつも以上にパターンと縫製が

ひとつのカギになっていましたが

この内容にピッタリなパタンナーと縫製者がそれぞれに

全力で臨んでくれ

イメージ通りのものを仕上げることができました。

 

 

背中のひとつボタンは同素材のくるみボタンで、クラシックに。

↑付属のサッシュ布をウエストに巻くと、また違ったアレンジにも。

 

身頃と袖&ケープ部分の生地はあえて異素材を使用しており、

袖&ケープ部分にはより軽くやや透け感のある素材を

採用することにより

大人の女性の優雅さや、しなやかさを表現しています。

 

デザイン的な面での今回一番の悩みどころは、

実はこの異素材の組み合わせによる色の合わせでした。

この生地に関して、実は運命としか思えないような

Merveilleuxな(奇跡的、驚くべき)エピソードがありまして。

既にこの記事長いですが💦

ご興味のある方は、ぜひお付き合いください。

 

生地の色合わせというのは、時によっては、あえて色のトーンや

色相を変えてそれをデザインとすることもありますが

今回は異素材同士でも色を揃えることがひとつのテーマと

なっていましたので

まずは身頃の生地をお客様とご相談しながら決定し

それに合う透け感のある生地を探すことにしました。

 

いつもお世話になっている生地屋さんの台帳の生地サンプルの

なかから

理想の素材感と色の生地を探しますが、なかなかこれというものが

なく…

改めて、身頃の生地の端切れを持ち歩いて東京、神奈川のあらゆる生地店をまわり、

色合わせを確認していく作業を数回にわたり行ったのですが

これがどうにも、光が当たった時に色のズレが目立ちそうなものなど、微妙に気になる点のあるものばかり…。

 

縫製を開始しなければならない時間の期限が迫る中、

やっとたったひとつ、よいと思える生地を見つけた!!!と

喜びいさんで生地屋さんへ注文して。

長かったけれどこれでほっと一息…!!

 

と思ったら。

『必要分にたいして、1着分足りないくらいしか生地の在庫が

ありません。』とのショッキングな連絡が!

あんなに探し回って、やっとみつけたたった一つの生地だったのに…と

見出しかけた希望をまた失い、どうしていいかわからずに途方に

くれそうになっていたとき…

 

なんと、Merveilleuxな(奇跡的、驚くべき)出来事が!

 

普段、私のブランドは大きな会社でもなく、基本一人でやっている

くらいなので

外部から営業やら宣伝の類の声かけなどは一切

きたことがないのですが…

なぜかこのとき、

Les MerveillesのInstagramを見たという、今までは取引のなかった

ある生地屋さんから

「お探しの生地はございませんか?」とダイレクトメッセージが

届いたのです。

 

なぜ私なんかに??と思いつつも

これは聞いてみるべきでは!と藁をもつかむ思いで探している生地の種類をお伝えしたところ、

早々にサンプル帳をお送りくださいました。

 

そうして届いたサンプル帳の、1枚目を見てビックリ!!!!

なんと

なんと…

先日、いつもの生地屋さんに在庫切れと言われた

たったひとつ、素材感がよく身頃の生地と色がぴったりと合っていた

これしかない!と思っていた生地。

 

このお声がけいただいた生地屋さん、

まさにあの生地の企画・製造元のメーカーさんだったのです!!

 

こんなことが、あるでしょうか。

いや、生地に関しては初めてですが

案外、こういった「お計らい」かと思うような出来事は人生に

あふれていて

そういったものに助けられて、私はここまでこさせていただいて

きたというのは

実感も自覚もあるのですが

まさかここでそういったものにまた助けられるとは。

もう、ありがたすぎて感激の震えが(笑)。

 

ということで、

この生地屋さんの営業さんのすごいタイミングでのDMにより、

救われ、また今回もひとつの妥協点もなく完成させることができた、

衣裳制作でありました。

心より、感謝…。

 

このMerveilleな生地が使われた衣裳を身につけた

アンサンブルひまわりの皆様にも、

これからもっと素敵なことがありますように✨

今回も貴重な経験を、ありがとうございました。


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2件連続でのジゼル関連の投稿です。

製作のいきさつや本番についての感想は、

先程投稿した1つ前の記事をご覧いただければ幸いです。

https://ameblo.jp/la-esperanza/entry-12421036235.html

 

今回は、

Les Merveilles のつくる衣裳について、

お話させていただこうと思います。


衣裳というものは勿論、演出家の意図のもと

その役柄の人が着て初めて息を吹き込まれ、

完成するようなものですが

Les Merveillesの衣裳づくりでは、

常に「存在のリアリティ」を表現できるよう心がけています。

 

そのストーリー、

役柄がフィクションであれノンフィクションであれ

衣裳のみが、ただ置かれているような状態にあるときにも

「そこになにかがいる」というような存在感を放つものであるように、

魂を吹き込むように。

 

そうしてできた衣裳には、着る方と一体化し舞台に立ったときに

観客に舞台上の世界があたかも目の前にある現実であるかのように感じさせ

完全に観る人の心を引き込む力を持つと考えるからです。

それが私の言う「存在のリアリティ」です。

 

今回オーダーいただいたジゼル2幕の衣裳は、

形としては非常にシンプルですが

それゆえに、役柄の人物像やリアリティをいかにして表現するか、

難しいところもありました。

 

ジゼル2幕のウィリの衣裳は、精霊のイメージはもちろんのこと

同時に花嫁の婚礼衣裳とも、死に装束とも言われることがあるようですが…

まず今回のジゼルのテーマとしては

「ロマンティック時代」というのが

第一のキーワードでしたので

なによりその時代のドレスをチュチュに落とし込んだシルエット、

ロマンティックチュチュの原型の構築というところから取り組みました。

(演目自体の時代設定は14-5世紀ですが、

初演の絵を見ても、ウィリーの衣裳は19世紀ロマンティックスタイルのシルエットで、現代に続くロマンティックチュチュの始まりの時代です)

 

ロマンティックスタイルのシルエットといえば、

前時代エンパイアスタイルの高い位置のウエストから通常のジャストウエストまでくびれの位置が下がり、

コルセットで細く締め上げられたウエストと

そのすぐ下から横にふくらむ、

釣鐘型や花冠型といわれるボリュームスカートが特徴とされます。

このウエストの細さと腰回りのふくらみのバランスが、

その時代らしさを表現する大きなポイントとなりますが

そのバランスは簡単なように見えて実は絶妙で、

少し間違えば全くの別物のように見えてしまうため…

 

今回最終的な完成形のシルエットに行きつくまでには試行錯誤が繰り返されました。

 

また、ジゼル2幕の衣裳は白一色であるために平面的になりがちなので

立体感によるリアリティを出すために

身頃のパターンも人体の筋肉の流れに沿った切り替えラインを採用し

美しい陰影が浮かび上がるようにという考えのもと…

同時に前中心身頃の切り替えラインには、

ウエストの細さを強調する時代の特徴を織り交ぜながら

美しいシルエットを作ることを目標としました。

 

ただし、同じ舞台に立つウィリ達とのシルエットが著しく異ならないように…
というところも、
今回のひとつのポイントでした。
 

そして最終的に、衣裳に魂を吹き込み

「リアリティ」を与えるもうひとつの重要な要素としての…

素材。

 

今回、演出の先生とのご相談を経て

身頃の生地として選ばせていただいたのは

艶消しのようなわずかな光沢感のある素材。

この絶妙な風合いが、陰影の表現に長けており

今回のパターンとの相性が非常によいと思われましたので

こちらの生地に。

 

ロマンティック時代のドレスには、

タフタなどのシルク素材が主に使用されていますが

今回の生地もシルキーな風合いがあり

幻想的でありながら、かすかに当時の雰囲気も匂わせたつもりです。

 

そして何より、スカートの素材が

私なりの解釈としてのジゼルの精神的な面を最も表しているところで

個人的なあらゆる感情を越えた、

まっすぐに純粋で、おおきな愛。

汚れなき純粋さと、それゆえの孤独と儚さ

しかし苦しみを知っても、その愛を死してなお保ちつづけようとする、

筋の通ったまっすぐな美しさとある意味での精神的な強さ。

風にふわりと揺れるやわらかさ、

触れれば消え入りそうな繊細さと同時に

凛とした美しさを持ったこの生地により

精霊となったその存在の幻想性のみならず

ジゼル自身の美しい愛の形を、表現したつもりです。

 

 

ご着用されるジゼル役の前田奈美甫さまも、

繊細ではかなげな美しさと同時に、

芯の強さや凛とした雰囲気をお持ちであると私は感じています。

このジゼルの衣裳は、ジゼルのみならず彼女ご自分のもつ

ジゼルらしさも融合させるように…

という想いも込めて

製作させていただきました。

 

5年前、ある舞台で運命的に出会ったイタリアの衣裳デザイナーの方のアシスタントとして

裏付き衣裳係をさせていただいたときに初めて肌で感じた

物語と人と衣裳との完璧な融合、

これが本当の舞台、総合芸術なのだという忘れられない感動・・・

そのときの雷で打たれたような衝撃を胸に、

自分の作る衣裳も少しでもあの感覚を人に感じていただけるようにと

思い続け、

衣裳を制作し続けてきたその一歩の前進が、ほんのすこしですが

今回実感できたように思いました。

 

今回、かねてからの色々な夢を現実にしていただけたこの経験は、

私の宝になると思います。

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