ケニア国民は“ブラッドレー効果”を懸念―米紙
17日付けの米紙ロサンゼルス・タイムズは、父親がケニア人である米民主党のバラク・オバマ大統領候補はケニアではヒーローとして絶大な人気を誇っているものの、“ブラッドレー効果”で大統領選に敗北することを懸念する市民が多いことを同紙特派員電として伝えた。
報道によると、ケニアのメディアでは、共和党のペイリン副大統領候補の支持集会で「テロリストを殺せ」などと叫んだ反オバマ共和党支持者の反応を伝え、白人優越主義者による暗殺の可能性など、米国での人種の壁は厚く、オバマ氏が大統領になる道は険しいとの悲観的な見方も多いという。
ケニヤッタ大学のフレデリック・オカッチャ教授(心理学)は「米国の人種差別はケニアにおける部族主義のようなもの」として、容易に解消しない人間の根底に潜んだ憎悪心、対立心だと指摘。ケニアで昨年行われた大統領選では現職の大統領が不正を行ったとして対立するルオ部族から立候補したオディンガ陣営との間で衝突が起き、約1000人もの死者が出たケースを持ち出した。結果的にはオディンガ氏は首相となり、「権力共有」の妥協案が成立。オバマ氏の父親はこのルオ部族の出身であるとし、米国でも同じような境遇にさらされているとしている。
報道はまた、インターネットによる情報検索で、多くのケニア人が“ブラッドレー効果”について認識しているとしている。“ブラッドレー効果”とはロサンゼルスの元市長だったブラッドレー氏が、1982年のカリフォルニア州知事選で、世論調査では優位を保ち当選が確実視されていたものの、結局敗北したことから、有権者は世論調査では人種問題について正直に答えず、実際の選挙では人種に基づいた投票行動をすることを指したものだ。
しかし、報道はまた、「白人支配の植民地国」だったケニアの国民にとって、オバマ氏が米大統領になることは、「過去の払拭になる」として大きな期待を持っていることも伝えている。
出典:世界日報