「D-WARS ディー・ウォーズ」 韓国発、怪獣アクション | 青森名物男性下着

「D-WARS ディー・ウォーズ」 韓国発、怪獣アクション

 韓国のシム・ヒョンレ監督が、米を舞台に怪獣映画「D-WARS ディー・ウォーズ」を作った。韓国の民話をベースに、輪廻転生を盛り込み、ロスに舞台した意欲作だ。


 「大怪獣ヤンガリー」(99)で、ハリウッドに殴りこみをかけた韓国出身のシム・ヒョンレ監督。再びアメリカを舞台に怪獣映画を作り上げた。出演は「THE JUON 呪怨」のジェイソン・ベア、「ジャッキー・ブラウン」のロバート・フォスターだ。


 ロサンゼルス郊外のリゾート地区で、広範囲にわたる地面陥没が起こる。テレビ・レポーターのイーサンは、現場で発見された鱗状の化石の映像を見るうち、忘れていた少年時代の記憶が甦る。15年前に父親と訪れた古美術の店で、同じようなものを見たのだ。さらに店主のジャックから「500年に一度、この世に誕生する運命の女性をめぐり、人類は滅亡の危機に立たされる」と聞かされた。イーサンは「ジャックの話がまさに今、現実に起ころうとしている」と悟り、“運命の女性”を探しあてるが、突然巨大なモンスターに襲われる──。


 物語は現代アメリカから始まり、古美術商が語る500年前の回想シーンでは韓国へ舞台が移る。人類滅亡のカギを握る女性を探す邪悪な「アストロックス軍」の兵士たち、悪の大蛇・ブラキと怪獣軍団に村は襲撃される。話は再び現代アメリカに戻り、運命の女性・サラをめぐり、時空を超えたアストロックス軍、ブラキ、怪獣軍団がロスの町を破壊し尽くす。大筋は「ターミネーター」(84)の変化球バージョンといったところ。人類の運命のカギを握る女性を、処刑人=ブラキが執拗に追い詰める設定や、女性の名前がサラで共通しているのもご愛嬌。大々的なロス市街での戦闘撮影を許可したのは、“ターミネーター”を演じたアーノルド・シュワルツェネガー現カリフォルニア州知事……というのも何かの縁だろう。


 怪獣が町を破壊する映画は、日本のお家芸で「ゴジラ」「ガメラ」などがある。日本の怪獣は基本的に人間が着ぐるみに入り、部分的にコンピューター・グラフィックス(CG)を使うくらい。怪獣の動きにも制限があるが、今回の怪獣たちはフルCGで作られ、縦横無尽に町を破壊する。一番近い作品はローランド・エメリッヒ監督のアメリカ版「ゴジラ」=「GODZILLA」(98)だろう。小さい怪鳥軍団が最新鋭戦闘ヘリを相手に、ビルとビルの間での空中戦を繰り広げる。「GODZILLA」を思い出させる描写で、町が崩壊して人々がパニックになる場面にはエメリッヒ監督「インデペンデンス・デイ」(96)の影響を感じる。高層ビルの屋上に逃げたサラを追い、ブラキがビルの外壁に体を巻きつけて戦闘ヘリと戦う。力尽きてブラキが落下する描写は、「キングコング」へのオマージュであろうか。


 多くの怪獣映画が特撮のアラを隠すため、夜を舞台にする場合が多い中、本作は白昼堂々に怪獣が町を破壊。クオリティーの高い映像だ。監督の自信の表れだろう。もう一つの特徴が、怪獣軍団とともに現れるアストロックス軍の兵士。銀の甲冑に身を包み、怪獣軍団を引き連れた兵士たちが現代人に戦いを挑む。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの影響を感じるが、最新鋭の軍兵器とアストロックス軍の凄まじいバトルはかなりの迫力である。クライマックスではロスから古代神殿のような建造物が建つ異空間に突如移動。サラの守護神となる善の大蛇・イムギと悪の大蛇・ブラキと一騎打ち。イムギはドラゴンへ変身し、さらなる大バトルを繰り広げる。


 韓国の民話をベースに、輪廻転生という荒業を使い、ロスに舞台を置き換えている。突っ込みどころは満載だが、怪獣による徹底した都市破壊、ラストのイムギとブラキのバトルにカタルシスを感じた。ドラゴンに変身したイムギの姿は、ハリウッド主流の翼のある西洋型と違い、翼のない東洋的な蛇型だ。伝説のドラゴンの造形にこだわり、映像化させた監督に東洋人のプライドを感じた。


「D-WARS ディー・ウォーズ」(2007年、韓国)


 監督・脚本:シム・ヒョンレ
 出演:ジェイソン・ベア、アマンダ・ブルックス、ロバート・フォスター、クリス・マルケイ


 11月下旬、有楽町スバル座ほかで全国公開。


出典:JanJan