タイムスリップ~ElmoreLab~ | たいむとらべるすくろーる

押入れの整理中、ふと懐かしい物が目に飛び込んできた。

「リネージュ2」の攻略本だ。

これは正式サービス最初期の本で、内容はリネージュ2内容に留まらず

当時がオンラインゲーム黎明期であった為か

「オンラインゲームが何なのか」というところから触れられていた。

チャットで多用される略語集や、マナーなどの記述もあった。

 

懐かしい気持ちでしばらく読んでいると、ふと今のリネージュ2がどんなものか気になりHPを覗いてみる

 

出てきたのは有料ガチャ画面に始まり、引退を決意した当初からあまり変わらない姿だった。

いや、運営も悪くない、大昔とも言えるゲームを存続させる為にやらざるを得ないのだ。

しかし、それによりゲーム自体の面白さが損なわれてしまっては本末転倒であり、救えない…。

 

ただ、その日の私はもう少しだけノスタルジックな感情に浸りたくて昔のゲーム映像でも見られたらと検索を続けた。

 

そして気がつけば海外のPrivateServerを紹介するページに飛んでいた。

所謂"エミュ鯖"というやつだ。

日本人が国内で公開していたサーバーなら一度遊んだことがあったが、海外は経験が無かった。

 

エミュ鯖の記憶と言えば異常とも言える高倍率の経験値と、欲しい物はその場で何でも買える夢のショップ

言うならチートで大雑把に遊ぶというイメージだった。

 

しかし、私の目についたのは「レート1倍(つまり変更なし)クロニクル2仕様」の説明書き

 

翻訳ツールを頼りにサーバーの仕様を読んでいく。

・多重アカウント(2PC)や不正行為(BOTやRMT)の禁止

・寄付を含めた課金要素によるユーザーへの有利な恩恵無し

その他仕様は当時のまま

 

アカウントの作成も無料のようだったので、試しにプレイしてみる。

 

当時のPC環境さえ思い出させる様な古臭くも懐かしいポップアップについニヤリとさせられた。

 

最初のキャラクター作成

種族はテストプレイと割り切って、適当にドワーフを選択

無事ログインできた!海外のサーバーだと勝手が違うかと思ったが、そうでもないようだ。

しかし当然のことながら全て英語表記

ルルは英語に強いわけでもないが、ここは諦める他ないだろう。

 

チュートリアルクエストを終え、初期村であるドワーフの村に到着

正直初期村に人がいるとは思っていなかったが

いくつも露店があり、動き回ってるキャラクターも何人かいる。

 

狩場に出てみると同じドワーフで少々混みあうほどだ。

少しだけ流れのままにモンスターを倒して休憩中

突然殴られた

 

殴り返すこともせずに呆気にとられていると

「stand up(立て)」とチャットがくる

 

言われるがままについていくと突然パーティの申し込みと以下チャット

 

相手「どこに住んでるんだ?」

ルル「日本だよ、君は?」

相手「ブラジルさ、さぁいこう」

 

こんな説明の無い拉致があるのか、日本ではまずない

その後は

「ウルフを狩るんだ」

と言われて15分ほど一緒にウルフ狩りを同行させられた。

これが情熱の国ブラジルか…

 

突然相手がログアウトしたので、村に帰って一人考える。

「このゲームを続けてみるかどうか」

 

いかに人が居ても、英語に強くなければ海外ユーザーだらけの中では孤独に感じるものだ。

そこで思い出す

「日本人ユーザーの集まりが"Discord"であったはず」

 

挨拶を済ませるとすぐに反応を頂けた。

血盟に加入すればUI等を日本語化する為のファイルも使用できるという

 

これはありがたい…

UIだけでなくNPCの名前やチャットも日本語に!

 

このファイルを入手する為に、有志は当時のスターターキット(インストール用DISC)を購入したそう。

今となっては探すのも大変な品物であり、この恩恵を授かれるだけでも血盟に入る理由になるだろう。

 

久しぶりの会話と、UIが直感的に操作できるようになったことでモチベーションが上がる。

気がつけばクエストもクリアするほど狩りをしていた。

 

クエストの報酬はランダムで全て使い道の無いアイテムだが「店に売る」ことでアデナに換金することができる。

報酬アイテムは4種類あり、売却価格は「100~500アデナ」とそう高くないが

低確率だが、1つだけ破格の5000アデナで売れる大当たりがあるのだ。

 

そして初めての報酬はその大当たり!

テンションが上がる…

お金ができた為、武器屋を眺めてみる。

リネージュ2の武器は安くはない、下手な品物を買うと手放す時に損をする。

まだ買うのは早いか…?

 

懐かしい気持ちだ

今はある程度までサクサクいけてしまう強さの「初心者向け武器」が最初から使える

それでも欲しいものがあれば課金すれば一通り揃えることができるのだ。

非公式のRMTなんか必要ないくらいに公式の「Pay to win」は充実してしまっている。

 

しかし私は今トランペットを眺める少年の様な気持ちだろう

『"手に入れることができない"を手に入れることができたのだ』

 

その日私は確かに中学生の頃ネットカフェで初めてリネージュ2をプレイしたあの頃に

タイムスリップした。

 

 

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