冬恋物語 ~11~
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想い ~第1話~

11月―

『はぁ~‥さむっ』

肌寒い風が頬をさす。
冬が始まるこの季節になるたび、思い出す人がいる。
過去に心から愛した恋人…
いや、今も愛してる。


あたしは中津美沙(ナカツ ミサ)
大阪に住む、21歳。
現在、友達と待ち合わせ中。


「ごめーん!」

今、遅刻してきた友達は香村由里香(カムラ ユリカ)
あたしの親友。

『遅い!何してんねん!』

「やって~寝坊してん!」

『もぉ~遅れるんやったら連絡くらいせや!』

「はーい‥」

『んで、今日はなに買うん?』

「あのね!もうすぐ亮とあたしの記念日やんか!んで、プレゼント買いたいんよ。一緒に選んでくれへん?」

由里香の彼氏は咲野亮(サキノ リョウ)

『あぁ~そうやったね!えぇよ!』

「その前にお腹減ったからどっか店入ろ!」

『せやね!なに食べたい?』

「せやな~パスタ!」

『せや!すぐそこにうまいパスタ店があんねん!そこ行く?』

「ホンマ?!行こ!」


ゆりと二人でパスタ店に入り、注文を頼んだ。

『そういや由里香と亮、もう付き合って4年やもんな~結婚せぇへんの?』

「やって~亮がプロポーズしてくれへんねん!もう一緒になって4年やで?!いつになったら結婚できるんやら…」

『亮は結婚する気ないんかね?』

「いや、この間聞いたらあるとは言っとった!」

『あ、もう聞いたんや‥』

「おん!気になったら言わな気がすまんからね~」

『せやね、ゆりは何でも気になったら口にせな気がすまんもな!』

「イエーイ!」

『4年かぁ~長いね。』

「…まだ引きずってるん?」

『何を?』

「拓海の事。」

『…何で?』

「やって、あれから彼氏作らんやん!」

『あぁ~あれはいい男がおらんから!』

「…嘘つき」

『え?』

「もう!美沙と何年付き合ってんねん!嘘ついてるんバレバレや!」

『…さすがゆりだな~』

「そういえばもうあっちに行って、3年やな。何の連絡もないんやろ?」

『うん…』

「何考えてんねん!少しは連絡くらいよこせや!イラつく…」

『しゃあないよ!あっちやって、いろいろあるんやろ!もしかしたら彼女おるかもやし、結婚しとるかもやし‥』

「ってかもし拓海があっちで結婚しとったらぶん殴るし。」

『何で?!』

「当たり前やん!あっちに行って、1回も連絡よこさんで、美沙にはこんな想いさせといて…んで仲良く結婚かい!絶対!ありえん。」

『もうしゃあないよ。あっちやってもうあたしの事、忘れとると思うで?』

「アホか!あんた、拓海と過ごした3年間はそんなもんやったんか?しゃあないで済むんか?!」

『……』

「ごめん…言い過ぎた。」

『ううん!ゆりの言う通りやで!でも‥もう忘れたいねん。拓海の事も、思い出も…』

「美沙、思い出ってそう簡単に忘れるもんやないで?ましてや、あんたが心から愛した拓海を忘れる事はできんと思うよ。それはあんたが一番、分かってる事やろ?」

『うん‥』

〈お待たせいたしました!〉


『もうえぇよ!拓海の話は終わり!今日はプレゼント買いに来たんやからテンション上げな!』

「…せやね!食べよ!」

それから二人で、ご飯を食べて、プレゼントを買った。


「なぁ!」

『ん?』

「カラオケ行かへん?」

『おっ!えぇね~行こ!』


カラオケ店―

『そういや今日、亮も仕事休みやろ?誘えば?』

「え?いいん?」

『えぇよ!』

「じゃあ誘う!」



「そういや蓮さん元気?」

蓮さんとはあたしの2つ上の兄貴。
中津蓮(ナカツ レン)
モデルや芸能界関係をしていて、東京で一人暮らしをしている。

『元気やで~昨日、連絡きた!明後日にこっちに戻ってくるらしいで!』

「え?何でなん?」

『なんか連日オフもらったらしいで~』

「ふ~ん…蓮さん、人気やもんな!」

『…そう?』

コンコン

〈お連れ様がおこしになりました。〉

「よっ!」

〈ごゆっくりどうぞ。〉

『久しぶり~!』

「亮!!」

と、ゆりが亮に抱きついた。

「おわっ!なんやねん!」

「キャー!逢えて嬉しい!」

『おぉ~ラブラブですね~』

「こらっ!もう離れろ!」

「ブー」

『仕事は順調?』

亮はあたし達より1つ上で、美容師をしている。
なかなかイケメン…
さすがゆりさん。

「おん!お陰様でな!美沙も元気そうやん!」

「飲み物は何にする?亮はウーロン茶やろ?」

「おん!」

「美沙は?」

『あたしはメロンソーダーでいいや!』

「了解!」

『んで、ゆりとの結婚考えてないん?』

「なんか最近、よくいろんな奴から言われるんやけど…」

『どうなん?』

「考えとるで?」

『じゃあ何でプロポーズせんの?』

「いや、いちよー来月の4年記念日の日にしようかなって思ってるんよ。」

『おぉ!えぇやん!なんや、ちゃんと考えてとるやん!』

「ジュースすぐ来るって!」

『おおきに!』

「いーえ!何の話してるん?」

『亮の仕事の話。』

「なんや~もっと楽しい話しとるんかと思ったわ!」

『残念でした~』

「誰から歌う?ゆり?」

「うん!じゃあ歌う!」

ゆりは浜崎あゆみの曲を歌った。

「はい!次は亮!」

「え?!なに歌えばえぇん?」

「じゃあキンキ!」

「好きやな~じゃあ入れるよ。」


いつも思う。
仲良さそうなゆりと亮を見てると、羨ましく思う。
最近、あまり幸せを感じる事が少なくなった。
それは拓海と別れてから。


「はぃ!次、美沙!」

『あたし?!じゃあ歌うね!』



「さっ!そろそろお開きにするか!」

時間を見れば、夜中になっていた。

「美沙!送るで!今日、車やし、夜中やから危ないやろ。」

「さすが亮!男やね!」

「うるさい!」

『でも‥いいん?』

「なに今さら遠慮してんねん!えぇよ、えぇよ!なっ、亮?」

「何でおまえが決めんねん!おまえが運転するんとちゃうやろ!美沙、えぇよ!気にすんなよ。」

『ごめんね!』

「今日は亮のおごりや~!」

「何でや!まぁえぇけど。」

『あ、えぇよ!あたしの分は自分で払うから!』

「えぇよ!俺が払うから。」

『いや‥でも送ってもらうだけでありがたいから。』

「大丈夫やって!気にすんな!」

「そうやで~お言葉に甘えとき!この間、おごってもらったし!」

「なに自分、またおごってもらったんか?!」

「えへっ!財布忘れて…」

「アホか!前にもおごってもらったばっかやろ?!何で財布忘れるんよ!」

『いや、大丈夫やで!いつもゆりにお世話になっとるし、気にせんといて!』

「ほら~あぁ言ってる事やし!」

バシッ

「いったぁ~!」

「いつもごめんな。ほな、今日はおごらせてや!」

『いや、でも…』

「前にゆりの分、おごってくれたんやろ?やからそのお返し!」

『あ、じゃあお言葉に甘えて‥ありがとうね!』

「えぇよ!」



車の中―

「ゆり、明日バイトやっけ?」

「うん!昼と夜から!」

ゆりはラーメン屋とカラオケ屋を掛け持ちしてる。

『そういやゆりもう、2年くらいやっとるよね?』

「やっとるね~」

「つか、どっちかやめれば?どっちか1つでも時給がえぇからやってけるやろ?」

「うん‥うちも考えたんやけど、楽しいからやめたくないねん!それに将来のためにお金貯めたいから!」

「ふ~ん。えぇんやない?楽しいならやめる必要ないで!」

「うん!美沙も掛け持ちやもんな?」

「確か、服屋と居酒屋やったよな?」

『うん!もう4年やってる。』

「へぇ~長いな!」

『亮は美容師、何年やってるんやっけ?』

「高校卒業してからやから、4年くらい?」

『あ、そっか。高校の時、専門学校行ってたもんね!』

「うん!そういや蓮さん元気?」

『うん!明後日に帰ってくるよ!』

「あ、そうなん?オフかなんか?」

『うん!遊びに来てね!』

「おん!行くわ!あ、着いたで~」

『あ、今日はありがとう!』

「おん!」

「バイバイ!」

『ゆり、またね!』



家の中―

『ただいま~』

「あ、おかえり!」

今、声をかけてきたのはもう1人の兄。
中津 浤(ナカツ コウ)
あたしより1つ上で、大学生。


『あ、起きてたん?』

「うん、さっきまで友達がきとったから。」

『ふ~ん。おかんは?』

「ん?なんか友達と飲み行くって言っとった!」

『じゃあ帰りは遅いね!おとんは仕事?』

「それしかないやろ。」

『せやね~』

「どこ行ってたん?こんな遅くまで…」

『あ、ゆりと亮とカラオケ行ってた!』

「なんや!男やないんか?」

『…おらんよ。』

「…あ、そういや兄貴が明後日、帰ってくるって!」

『知っとる。昨日、連絡きたわ。風呂入ってくるね!』

「おう‥」


風呂場―

洗面所で入る前にゆりにメールをした。

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To:香村 由里香
件名:無題
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今日はありがとうニコニコ音符音符
めっちゃ楽しかったでニコニコチューリップ赤
なんかカラオケとか久々やったからホンマ楽しめたわラブラブ!アップアップ
帰りも送ってもらっちゃってゴメンねしょぼんあせる
せっかく二人の時間やったんに…ショック!爆弾
また遊ぼうねにひひクローバークローバー
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『送信!』

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To:咲野 亮
件名:無題
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今日はありがとうニコニコグッド!
送ってもらってゴメンねショック!ダウンダウン
またゆりと一緒に遊ぼうね得意げ桜
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『送信』

~~~~~♪♪♪

ピッ

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From:香村 由里香
件名:Re:
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気にせんでニコニコパー
ゥチも楽しかったで~ニコニコドキドキ
プレゼントも選んでくれてあリがとニコニコカクテルグラス
助かリましたニコニコ!!!
ヤッパ海咲とぉると落ち着けたわにひひクローバー
カラオケも楽しかったでラブラブ!ラブラブラブラブ
また行こうねニコニコさくらんぼ
明後日、行けたら亮と海咲ん家に行きまあすブタキラキラキラキラ
ぢゃあオヤスミ‥ニコニコぐぅぐぅ

PS.今日ゎ亮ん家にぉ泊まリでぇすべーっだ!ドキドキドキドキ
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風呂場―

『はぁ~‥』

あたしは昔の事を思い出していた。