エレベーターの扉が開くと


そこには血塗れの制服を着た彼女がいた


手にはおもちゃの拳銃


立ち尽くす僕の左頬を


彼女の襟足が掠めた


長く真っ直ぐに伸びた髪には


硝煙の匂いと女の子な匂いが絡まる


どうしようもない夏が


僕らの終わらない熱帯夜が


水飛沫を上げながら


この街に押し寄せていた