足の指に絡まる水気


急な大雨に降られ


びしょびしょになった靴下のまま


傘もなく歩いているあの帰り道


そんな感覚だ


現実は私の心臓を


グチャグチャと踏み荒らしていく


引っ越しをして2週間あまり


慣れないベッドの上に横たわる


私の体の上を


嫌気がさすような明日が


そんなふうに歩いている


心は水に濡れたティッシュみたいに


溶けるように


バラバラになっていく


行き場を無くした信仰心は今


果てしない猜疑心になって


この寂れた街に拡散していく


哀しみも嬉しさも


忙しさが奪い去ってしまう頃に


私は心を捨てることができるんだ


そうなるのが先か


私が死ぬのが先か


まるでチキンレースみたいだ


アクセルベタ踏みのまま


断崖絶壁へ車は走る


翼があれば


降り頻る雨も弾き飛ばして


暖かいところへ


いけるのかな


ここは寒くて


いつまでも隙間風に苛まれている


眠ることさえ


今は苦しい