どうしてひとりで生きられないのか


そんなことがよぎる


歳を重ねるにつれて


許せないことが増えていく


どうでもいいことも


悲しいことも


嬉しいことと同じくらい


いやそれ以上に増えていく


私はひとりだった


周りの人間に支えられながら


生きているくせに


私はひとりだと思い込んだのだ


でもやっぱり


私は依存して生きることに


違和感を感じていたんだ


腕を地面と平行にまっすぐ上げて


指先を合わせて腕で輪を作る


それが人の持つ安全地帯


何が言いたいかと言えば


自分で自分を抱きしめることは


できないということだ


外の世界は危険だ


誰かと生きていくためには


誰かの安全地帯の中にいなければ


死んでしまう


人の持つ安全地帯は


他人の分しかなくて


逆に言えば


たったひとり


安全地帯を共有できる人間がいれば


その人は生きていられる


でもときたま


そんな距離感の中にいると


その人の安全地帯の中で


傷つけたり傷つけられたりする